2010年の自民党の選挙公約で、
選択的夫婦別姓は「わが国を根底から
覆そうとする意識が働いている」などと、
仰々しいことが書いてあったことを指摘する
『女性自身』の記事の続きです。
「安倍首相 夫婦別姓で支離滅裂答弁の陰に9年前のトンデモ文書」
2012年の自民党の選挙公約からは、
「わが国を根底から覆そうとする」という
記述がなくなった、という指摘があります。
なんと自民党は9年前、選択的夫婦別姓制度は
民主党が企てる国家転覆策の一つだと主張していたのだ。
そもそも、この政策集では「選択的」という
語が省かれていることも不正確だ。
2012年版ではさすがにこの一文は改められ、
2013年版からは「反対」との記述もなくなっている。
2012年の公約で選択的夫婦別姓に関する
記述は次のようになっています。
「J-ファイル2012 自民党総合政策集」
あいかわらず選択的夫婦別姓に反対を
かかげる自民党ですが、「わが国を根底から覆す」
うんぬんは書かなくなっています。
「選択的夫婦別姓は国家転覆策」は、
気が触れていると思われると懸念して、
政策集では言わないことにしたのでしょう。
政権獲得が現実的になってきたので、
一般有権者からの支持が離れそうなことを
かかげることを避けた、ということです。
「選択的夫婦別姓で国家転覆」というのは、
反対派(非共存派)の中には、
まじめに主張する人がめずらしくないです。
2010年の選挙公約は。やはり固定支持層を
堅めるために、選択的夫婦別姓に反対する
彼らに受けることを言ったのでしょう。
一般有権者より固定支持層のほうを、
このときの自民党は見ていたということです。
それでも「夫婦別姓」とだけ書いて、
「選択的」をはぶく不正確な表記は、
2012年の政策集でも変わらないです。
選択的夫婦別姓問題にくわしくない人に、
民法改正したら全員夫婦別姓になると
思わせるのは、一般有権者に向けたものだ、
ということもあるのでしょう。
『女性自身』の記事が指摘するように、
2013年の公約からは、選択的夫婦別姓に
関する記述自体がどこにもないです。
反対と言わなくなったということです。
「J-ファイル2013 総合政策集 - NIFCLOUD」
このように選択的夫婦別姓反対を
トーンダウンさせたのは、
安倍政権は、政権基盤を堅めるために
一般有権者の支持をさらに集める
必要があったからだと思います。
選択的夫婦別姓に反対すること自体が、
一般有権者からは支持されないことであり、
固定支持層向けのアピールであると
考えるようになったものと思います。