2020年04月14日

toujyouka016.jpg 現行民法で夫婦別姓で法律婚をする

4月13日エントリの続き。

夫婦別姓訴訟の最高裁判例のくずしかたの
記事のうち、今回は最後の4つ目の記事、
「裏技編」を見てみたいと思います。

「【裏技編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方」

ここでは現状で日本で夫婦別姓の
法律婚をする方法がしめされています。
もちろん戸籍に婚姻が記載されます。

 
それはどうやるの?と当然思います。
外国で婚姻届けを出して夫婦別姓を選択して、
日本での法律婚にするという方法です。

日本人どうしの結婚でも外国で届けを出して
夫婦別姓を選択することはできるけれど、
日本で法律婚にするには夫婦同姓に
せざるをえないと思っていました。

ところが関係法律の条文を読むと、
夫婦同姓にすることまでは、
要求されていないということです。
よって夫婦別姓でも日本の法律婚として
認められるはず、ということになります。




外国の方式で婚姻をし、
氏の選択欄を記入せずに
婚姻の報告的届出をする

ここに「報告的届け出」をすると書いてあります。
「届け出」には「報告的届け出」と
「創設的届け出」のふたつがあります。

「報告的届け出」はすでに婚姻していることを
日本国内で報告する事後承認です。
外国で婚姻届けを出したかたが
日本で法律婚にする場合はこちらです。

「創設的届け出」はまだ婚姻していない人が、
届けを出すことによって新しく
婚姻の効果を発生させるものです。
日本でふつうに婚姻届けを出して
結婚する場合はこちらになります。




日本人どうしが外国で婚姻届けを
提出して結婚することはできます。
その国の国籍がない人、単なる旅行中の人でも、
婚姻証明書を発行してもらって、
法律婚が認められる国はあります。

この婚姻はその国の法律にもとづきます。
よってその国で夫婦別姓が選択できれば、
日本人どうしでも夫婦別姓で
法律婚ができることになります。


日本の「法の適用に関する通則法」の
24条では「婚姻の方式は婚姻挙行地の法」
によるとなっています。
日本人どうしでも挙行した国の法律婚が、
日本の法律婚として認められるということです。



外国の法律婚を日本での法律婚とするには、
婚姻証書を提出する必要があります。
戸籍法41条によると、この証書は
届けを出した外国の婚姻証明書です。
日本の婚姻届けはまったく関係ないです。

このあたりは外国でリーガル・ウェディングを
する方法を解説したサイトにも書いてあるので、
ご存知なことも多いかと思います。




外国での法律婚を、日本の法律婚にしても
夫婦別姓のままでよい法的根拠ですが、
「報告的届け出」なので戸籍法74条の
適用の対象外となるということです。

戸籍法74条の規定は「婚姻をしようとする者」、
つまり日本国内でこれから婚姻届けを出す
「創設的届け出」をする人が対象です。
この1項に「夫婦が称する氏」があるので、
夫婦同姓にせざるをえないことになります。

外国の法律婚を日本の法律婚にするのは
「すでに婚姻している者」です。
「婚姻をしようとする者」ではないから、
74条の要求する届けは必要ないということです。


外務省のサイトを見ると、外国の法律婚を
日本の法律婚にする際、提出書類の中に
「(日本の)婚姻届け」があります。
(4)-(A)で要求されています。



ふつうの日本の婚姻届けですから、
苗字を選択する欄があって、どちらかを選んで
夫婦同姓にすることになります。

外国の法律婚を日本の法律婚とする
「報告的届け出」の場合、通則法24条によって
戸籍法74条は適用されなくなります。
外務省のサイトにある(4)-(A)の
日本の婚姻届けは、本来提出するいわれのない
書類だったことになります。

posted by たんぽぽ at 22:29 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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