2020年04月17日

toujyouka016.jpg コロナ補償の現金給付・世帯単位の思想

自民党・安倍政権が最初に検討していた、
コロナ対策のための休業補償は、
1世帯あたり30万円の現金給付でした。

それも無条件ではなく、一定の水準まで
所得が減少した世帯にかぎりです。
4月3日に発表された方針です。

「新型コロナ 現金給付1世帯30万円 一定水準まで所得減少の世帯」
(はてなブックマーク)

 
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた
緊急経済対策の焦点の1つ、現金給付をめぐり、
安倍総理大臣と自民党の岸田政務調査会長が会談し、
一定の水準まで所得が減少した世帯に対し、
1世帯当たり、30万円を給付することで一致しました。

世帯単位というのは、世帯の収入の
合計というより「世帯主」の収入を
意識しているのではないかと思います。

この世帯主は男性を想定していると思います。
女性は世帯主でないことも多いでしょうから、
補償の対象からはずれることになります。



4月13日にこの方針は修正され、
世帯主以外でも収入が減少したケースを
給付の対象に加えることを、
自民党は検討するようになります。

「世帯主以外の収入減少なども配慮 30万円給付の対象拡大へ」
(はてなブックマーク)


この自民党のコロナ補償の方針については、
いろいろ言うこともあると思います。
ここでは給付対象を「世帯」にする
という発想を、問題にしたいと思います。

世界中のどこの国も補償のための
現金給付は個人を対象にしています。
なぜ日本だけ世帯なのかと思うところです。

菅義偉官房長官にいたっては、
「生活支援を考えれば世帯単位が適切」という
趣旨のことまで言っています。
この「ガラパゴス」思考はなんなのかと思います。

菅官房長官は、午後の記者会見で世帯ごとに
現金給付を行うとしたことについて
「仕事が減るなどによって収入が減少し、
生活に困難を来すおそれがある家庭を中心に、
生計維持のために必要な給付水準を検討した。
生活支援を中心に考えれば、
やはり世帯単位で考えることが
適当ではないか」と述べました。


これはとりもなおさず、自民党のお歴々は
高度経済成長期に定着した
家族イデオロギーを「信仰」のように
していることのあらわれだと思います。

「家族思想という信仰」

この家族イデオロギーにおける
「多数派の家族」は「父親が外で働き、
母親が専業主婦で子どもがふたり
くらいいる」というものです。

こうした男性が収入の大半の担い手で、
女性は男性と結婚して収入は補助的という
家庭が多いと思っているから、
かかる「世帯」単位で給付することが
生活支援として適切と考えるのでしょう。


現金給付を世帯単位にする発想は、
選択的夫婦別姓や同性結婚に反対したり、
ひとり親家庭を切り捨てるのと、
同じ「家族思想」が根っこにあるということです。



posted by たんぽぽ at 22:46 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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