4月15日の「アベマプライム」で
八木秀次氏は、「選択的夫婦別姓を認めると、
かつての『消えた年金』のような事態が起きる」
という趣旨のことを言っています。
「現状のまま導入すれば膨大な労力が?「選択的夫婦別姓」を阻む日本の戸籍制度の課題とは」
過去の記載の転記を間違えると、
かつての年金記録問題のように大変な問題になってしまう。
この「かつての年金記録問題」は、
2007年に発覚して大きな問題となり、
自民党が下野する直接の引き金となった
「消えた年金」のことでしょう。
「「消えた年金」と結婚改姓」
年金の記録が消えたのはどんな人に
多かったかというと、結婚改姓したかたです。
苗字が変わるので同一人物の判断が
難しくなり、だれが年金を払ったか
わからなくなったということです。
「山崎元の経済用語の新常識(39)〜山崎元コラム〜」
5000万件とは国民年金と厚生年金の年金記録で、
対象者が分からないものの合計だという。
例えば過去に年金保険料を納めていたが、結婚による改姓を期に、
本人の届けの誤りや社会保険庁の事務ミスなどの理由で
この記録と本人との結びつきが切れてしまったような事例が、
多数あるということだ。
なぜ「年金記録問題」が「大変な問題」に
なったかといえば、結婚改姓のせいであり、
それを強要する夫婦同姓の強制です。
よって年金記録問題と同様の問題を
今後防ぎたければ、選択的夫婦別姓を導入して、
夫婦の双方が結婚改姓しない選択肢を
用意することになります。
本気で「消えた年金」をなくしたいなら、
結婚改姓する人をなくすために
全員夫婦別姓に必要があるのだと思います。
それでも「夫婦同姓を選びたい」という
従来の慣習に配慮して、夫婦同姓の選択肢を
残すという「譲歩」をするわけです。
「選択的夫婦別姓の導入によって
年金記録問題のようなことが起きる」という
倒錯したことを考える人は、
八木秀次氏にかぎらず、選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)によくいます。
彼ら反対派(非共存派)は苗字が変わることで
同一人物の識別が難しくなることの意味が、
よくわかっていないのでしょう。