2020年05月17日

toujyouka016.jpg 百田尚樹・選択的夫婦別姓反対論を展開

あの百田尚樹氏が選択的夫婦別姓について
ツイートして、ちょっとした話題になっています。

今回のツイートでは百田尚樹氏は、
選択的夫婦別姓に反対の主張を展開しています。
もともと反対であることは百田尚樹氏の
過去の見解を見ればわかることではあります。

 

百田尚樹氏は「夫婦同姓は日本の伝統、
夫婦別姓は中国、韓国の伝統」などと言っています。
あまりにストレートすぎて失笑します。

そこらへんの選択的夫婦別姓の反対派や、
ネトウヨでも、もう少しアレンジしたことを
言うのではないかと思います。


日本で夫婦同姓を民法で定めたのは
1898年のことで、明治も後半になってからです。
120年程度の歴史しかないので、
すでに「伝統」と呼ぶことが疑問視されます。

明治時代に夫婦同姓を定めたのは、
欧米諸国と結んでいた不平等条約の撤廃のためです。
欧米風の法整備が必要だったので、
家父長制にもとづく夫婦同姓を導入しました。

日本の夫婦同姓は「舶来」なので、
「日本の伝統」とは言えないでしょう。
むしろ法体系を欧米的にするために、
それまでの日本の伝統を捨てているくらいです。

「日本で夫婦同姓になった起源」



「夫婦別姓は中国、韓国の伝統」と言い出すのも、
反対派(非共存派)の定番中の定番です。

「夫婦別姓で中国と韓国という発想」
「東アジアとアメリカの世界地図」

フランス、スペイン、イタリア、ケベック、
シンガポール、ベトナム、サウジアラビアといった
国ぐにも夫婦別姓がメインですが、
これらの国ぐには、なぜか出てこないです。

夫婦別姓の国は世界中にたくさんあるのに、
中国と韓国だけしか出てこないのは、
どういう意図があるのかと思います。



百田尚樹氏は「人権とか女性の権利とか
真剣に考える者ほど、ころっとやられる」とも
言っていますが、これはどういうことかと思います。

人権や女性の権利を考えるかたは、
自分の生活や尊厳のために主張と行動をします。
それは現在と未来のためのものです。
「伝統」なんて過去のことは
ほとんどどうでもいいことだと言えます。

「伝統」は百田尚樹氏(選択的夫婦別姓の
反対派)から持ち出したことです。
相手が主張していないものを持ち出すことで、
なぜ「ころっとやられる」のかわからないです。

「伝統を持ち出すのは夫婦別姓反対派」


「人権や女性の権利を考えるかた」を意識して
「夫婦別姓は中国、韓国の伝統」と言う
百田尚樹氏は「中国、韓国の夫婦別姓は
ジェンダー差別にもとづく」なんて
言いたいのではないでしょうね?

その「中国、韓国のジェンダー差別」とやらは、
「女性を家に入れない儒教思想にもとづく」
ということでしょうか?

「嫁を家に迎え入れる夫婦同姓?」


中国では1950年に施行の婚姻法により、
ジェンダー平等の見地からの
夫婦別姓に意味付けを変えています。
その後も1980年と2001年の改正により、
ジェンダー平等の保証が強化されています。

「中国婚姻法」

最初の婚姻法は、中華人民共和国の建国(1949年10月1日)から
まもない1950年5月1日に公布施行され、同年6月の土地改革法、
労働組合法とともに建国期の「三大立法」と称された。
三大立法はいずれも中国社会の民主主義革命を目的としていたが、
婚姻法は儒教道徳に基づく家父長制の家族制度を廃止し、
「新民主主義の婚姻制度」を樹立するものであった。

韓国では2008年に男性優位の戸主制が
廃止され、現在はよりジェンダー平等的な
身分登録制度となっています。

「韓国で戸主制廃止-民法改正案が国会通過(2008年1月から実施)」

2005年3月2日に、戸主制廃止を柱にした民法の改正案が
韓国国会の本会議で可決されました。
235名の議員が投票し、結果は
賛成161票、反対58票、棄権16票でした。
これによって民法から戸主制に関連する条項が削除され、
男性優先の戸主を中心に編成されてきた
「家」単位の身分登録システムが大きく変わります。


百田尚樹氏はなにを意識して
「夫婦別姓は中国、韓国の伝統」と言ったのか、
という問題はあると思います。

「ジェンダー差別にもとづく夫婦別姓」であれば、
中国にも韓国にもそんなものは
存在しないことははっきり言えます。
中国も韓国も現在はジェンダー平等のために
夫婦別姓を定めているからです。

posted by たんぽぽ at 11:05 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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