選挙ドットコムのインタビュー記事で、
長尾たかしは夫婦同姓の強制は「日本をかたち
作ってきた家族制度」だも言っています。
これはちょっと巧妙な言いかたかもしれないです。
否定はできそうにないからです。
「日本人の「生活」を法律で縛るべきなのか? 長尾敬・衆議院議員に聞く 「選択的夫婦別姓」のはなし【3】」
長尾敬議員:理由はいろいろとあるけど、
まずは子どもにとって、お父さんとお母さんの苗字は
同じほうが良いということです。
それが、これまで日本を形作ってきた家族制度です。
日本で夫婦同姓の強制が民法で
定められたのは1898年、明治の後半です。
不平等条約を撤廃するために、
欧米風の法整備が必要になったので、
ヨーロッパの家族法にならったのでした。
「日本で夫婦同姓になった起源」
120年程度の歴史で舶来の制度であっても、
夫婦同姓の強制はその後の日本をかたち
作ってきたとは、言えると思います。
とくに戦後の高度経済成長期に、
「夫婦は同姓」という家族イデオロギーは強化され、
日本の家族のありかたを決定づけたと思います。
たいていの選択的夫婦別姓の反対派は、
ここで「夫婦同姓は日本の伝統」と言うと思います。
その場合、上述のように明治の後半からで
舶来だという事実を指摘することで
簡単に反論することができます。
長尾たかしは選択的夫婦別姓の議論を
いくつか見てきて、「夫婦同姓は日本の伝統」
という言説は簡単に反論されることを
知っているのかもしれないです。
それでも「むかしから日本で続いていた」
ということを理由にしたいので、
反論されないためにはどうしたら
いいかと考えた結果出てきたものが
「日本をかたち作ってきた」かもしれないです。
付記:
長尾たかしのコメントを見ると、
「両親の苗字は同じほうが子どもにとってよい」
というのが、日本をかたち作ったと
言っているようにも取れます。
それでしたら日本をかたち作っていないことは
簡単に示せると思います。
夫婦別姓の家庭の子どもたちは、
両親の苗字が違っていても、
なんら問題ないケースばかりだからです。
「子どもの気持ちを考えてください」
法律婚で夫婦同姓が強制され続けても、
夫婦別姓で問題ない子どもが出てくる
ということは、「両親の苗字は同じほうが
子どもにとってよい」という状況は
かたち作っていないことになります。