2020年06月01日

toujyouka016.jpg 「夫婦別姓=共産主義」に反証するドイツ

5月31日エントリの続き。

ドイツで選択的夫婦別姓が実現したのが、
冷戦崩壊の直後であることが、
夫婦別姓が共産主義と関係ないことを
示しているというお話をしました。

「選択的夫婦別姓と共産主義イデオロギー」

 
1993年にドイツで選択的夫婦別姓が
実現したことを、わたしが把握しているのは、
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)が、
「夫婦別姓で離婚が増える」ことの「根拠」として
示すことがよくあるからです。

「ドイツの選択的夫婦別姓」

粗離婚率の推移 1960年-2002年

夫婦別姓と離婚率に関係があると信じているのは
反対派(非共存派)ばかりなりです。

それゆえ離婚率に関する資料も
反対派(非共存派)が持ってくるか、
反対派との議論で必要になったので調べたかの
どちらかになることがほとんどです。


1993年からドイツの離婚率が増えているので、
選択的夫婦別姓の導入のせいだというのが
反対派(非共存派)の主張です。

ところがドイツの選択的夫婦別姓は
施行は翌年の1994年からです。
それゆえ離婚率の上昇と選択的夫婦別姓は
関係ないことがわかります。


ドイツで1993年に選択的夫婦別姓法案が可決、
翌年1994年から施行というのは、
「夫婦別姓は共産主義のドグマ」という
反対派の主張にも反証しています。
冷戦の崩壊の直後に可決と施行がされたからです。

ドイツの選択的夫婦別姓の実現は、
憲法裁判所で違憲判決が出たことを
受けてのものですが、この違憲判決も1991年で、
やはり冷戦崩壊の直後です。


東ヨーロッパの共産圏が消滅した
すぐ直後にドイツで選択的夫婦別姓が
実現していることになります。
夫婦別姓と共産主義は無関係ということを
示しているということです。

冷戦時代に東西に国が分裂していて、
冷戦の崩壊で共産圏の東側が
西側に吸収合併されたドイツというのが、
とくに象徴的だと思います。


反対派(非共存派)は、ドイツにおける
選択的夫婦別姓の導入に関する事実は、
「夫婦別姓=共産主義」の反証に
なっていることは無視するようです。

もともとは選択的夫婦別姓の反対派が、
自分から持ち出した資料です。
責任を持って検討していただきたいです。

ドイツの例を挙げて「夫婦別姓で離婚が
増える」と主張する反対派と、「夫婦別姓は
共産主義のドグマ」と主張する反対派は
別人だと言うのかもしれないです。

それならドイツの離婚率を持ち出した反対派は、
「共産主義のドグマ」と主張する
反対派にぜひ反論してほしいです。

posted by たんぽぽ at 22:45 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 「夫婦別姓=共産主義」に反証するドイツ web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]