選択的夫婦別姓についての記事です。
「多くの不利益は無視、日本で「選択制夫婦別姓」が認められない本当の理由」
最近の選択的夫婦別姓に関する記事は、
反対派の批判に重点を置くものが多いと思います。
これはよい傾向だとわたしは思います。
反対派のがんめい極まりない精神・思考構造は、
もっと広く知ってもらいたいことです。
選択的夫婦別姓が実現しないのは
「政治」が最大の理由だとしています。
「現在の安倍政権」と固有名詞も出ています。
保守系の政権にとって「家族」こそは
譲れない聖域と、理由まで触れています。
こうした誤解からくる反対も、選択的夫婦別姓が
なかなか実現しない理由のひとつです。
しかし、最大の理由はやはり「政治」でしょう。
家族のあり方に関する制度の可否は、
その時々の政権の価値観に左右されがちです。
そして政権が保守派の場合、最も守りたい
“譲れない聖域”が家族そのものなのです。
現在の安倍政権は、家族については
従来の制度を守り抜きたいはずです。
そこを譲ってしまうと、保守派の有権者から成る
支持母体をごっそり失いかねません。
たとえ政治家の一人ひとりは選択的夫婦別姓に賛成でも、
うかつにそうとは言えない事情があるのです。
「選択的夫婦別姓が実現しないのは、
自民党・安倍政権のせい」とはっきり
言っているということです。
それに加えて、彼らが反対する理由は
宗教のように奉じている家族イデオロギーに
あることまで言及があります。
「家族思想という信仰」
その家族イデオロギーは自民党の
支持基盤が信じていることにも触れていて、
「自民党政権が続くかぎり選択的夫婦別姓の
実現はありえない」となかば言ったような
ところまで来ていると思います。
選択的夫婦別姓問題における自民党の
責任について、ここまではっきり言った記事は、
おそらく初めて見たと思います。
自民党政権が続くかぎり選択的夫婦別姓は
実現しないと考えられることや、
背景に家族イデオロギーがあることは、
わたしはサイトを開設する2004年5月から、
いや、それ以前から言っていました。
ようやくそれを識者がメディアで
言うようになったと思います。
わたしがメインサイトを開設した前後は、
ネットの選択的夫婦別姓の市民団体が
まだ幅を利かせていたころでした。
彼女たちは「自民党政権が続くかぎり
自民党を動かさなければ選択的夫婦別姓は
実現しない」と考えていて、
自民党のお歴々を逆なですると思われることは、
極力言わせないようにしてきました。
そんな市民団体ですから「選択的夫婦別姓が
実現しないのは自民党政権が続くからだ」なんて
発言はご法度中のご法度になります。
彼女たちネットの市民団体が、
フェードアウトして影響が薄れたあとも、
選択的夫婦別姓に関心のあるかたが
自民党の問題について指摘することは、
ずっとあまりなかったのでした。
そのせいか選択的夫婦別姓に関して
自民党に責任があることを指摘することは、
「言ってはいけないこと」ないし
「思ってもあえて言わないこと」のように、
わたしはなんとなく思っていたのでした。
最初の記事で、はっきりと自民党に
原因があると述べているのを見て、
わたしはようやくその「呪縛が解けて来た」
という感じがしています。
(実際には、とっくのむかしから
「自民党のせいで選択的夫婦別姓が
実現しない」くらいは言っても、
どうということはなかったのでしょうけれど。)