自民党広報の「ダーウィン進化論」を
持ち出した憲法改正の必要性を主張する漫画は、
たくさんのかたから批判を受けています。
次のネイバーまとめだけでも
かなりの数の批判ツイートだと思います。
「自民党憲法改正漫画【教えて!もやウィン】「ダーウィンの進化論から学ぶこととは?」に批判殺到」
リプライが怒涛の批判で埋め尽くされておる https://t.co/e0HtUcNDrx
— 上原潔 (@UeharaKiyoshi) June 19, 2020
「唯一生き残るのは変化できる者」なんて
ダーウィンは言っていないです。
「適応する能力のあるものが生き残る」なんて
進化生物学を正しく理解していなくて、
科学認識としても間違っています。
自民党広報の進化論を持ち出している漫画は、
二重に間違っていることになります。
批判が殺到するのもごもっともだと思います。
わたしがかねてから思っていることとして、
問題ある政治思想の持ち主は自然科学を
語らないほうがよい、ということがあります。
「自然科学は「言わぬが花」」
問題のある思想の持ち主が、イデオロギーや
政治に利用しようとして自然科学を持ち出すと、
それはたいていおかしな科学認識を示します。
それは思想やイデオロギーと無関係に
純粋に科学リテラシーの観点から問題視して、
反論するかたが出てくることになります。
かくして自然科学をイデオロギーに
利用しようとした人の非科学性は
すぐに示されることになります。
自民党広報が憲法改正の推進のために、
進化論を引き合いに出すのは、
問題ある思想の持ち主が自然科学を
利用したことで、専門家からその科学認識を
批判されたことの典型だと思います。
当の自民党広報のかたたちは、
自分たちが問題ある思想の持ち主とは
思っていないのかもしれないですが。
どんな分野の内容でも政治利用で
おかしなことを言えば、その分野の専門家が
反論する事態にはなると思います。
自然科学は専門家が反論する傾向が、
ほかとくらべてとくに強いと思います。
本来なら歪んだ思想の持ち主は、
どんな発言もしないに越したことはないです。
それでも「言わないほうがいいこと」に
あえて優先順位をつけるとしたら、
一番は自然科学だと思います。