選択的夫婦別姓についての意識調査を行なっています。
調査は2019年ですが、発表は2020年です。
「選択的夫婦別姓、賛成74% 未婚者の65%が旧姓希望働く女性 2000人アンケート」
「選択的夫婦別姓、働く女性の胸の内は 日経調査詳報」
「未婚の働く女性、65%が仕事で旧姓希望 日経調査」
日本経済新聞社が働く女性2000人を対象に
2019年に実施した意識調査では、
旧姓の使用や選択制夫婦別姓についても詳しく質問した。
調査はマイボイスコムを通じて全国の働く
女性2000人にインターネットで聞いた。
内訳は未婚が1004人、既婚が786人、離死別が210人だった。
この意識調査で注目したいのは、
「旧姓を使っている、もしくは使いたい」かどうかを
訊いている設問があることです。
全体では
旧姓: 41.8%、
事実婚で改姓していない: 9.9%
婚氏: 48.3%
で、「旧姓」と「事実婚」を合わせて51.7%が
生来の名字を使っている、
もしくは使いたいと答えています。
「仕事をする上で使っている、あるいは使いたい」のは
旧姓か、新姓かを尋ねたところ、
「旧姓」(41.8%)と「事実婚で旧姓のまま」(9.9%)、
「新姓」(48.3%)と全体ではほぼ半数ずつとなった。
仕事上で使いたい姓について尋ねたところ、
働く未婚女性の51.6%が「旧姓」、
13.7%が「事実婚で旧姓のまま」と答えた。
旧姓使用を希望している人は合わせて約65%に上った。
未婚の女性にかぎると
旧姓: 51.6%
事実婚で改姓していない: 13.7%
婚氏: 34.7%
で、生来の名字を使っているか
使いたいかたは、65.3%になります。
未婚女性の3分の2は結婚改姓したくない、
もしくは夫婦別姓を希望していると
考えることができるでしょう。
非改姓結婚を希望する割合が
「全体<未婚」になるのは、結婚して改姓すると
婚氏で人間関係やキャリアができるので、
生来の名字に戻すとかえって不利益が
出てくるからだろうと思います。
未婚で婚氏がない場合は、生来の名字でしか
人間関係やキャリアはないので、
結婚改姓が不利益になり、非改姓結婚の必要が
より高いことになります。
2016年のはじめにウートピが行なった
選択的夫婦別姓のアンケートでは、63%の女性が
「選択的夫婦別姓が実現したら夫婦別姓
(非改姓結婚)を選択する」と答えていました。
「非改姓結婚希望が6割以上」
ウートピのアンケートは20-30代の
首都圏勤務の女性が対象です。
「働く女性」が対象というところは、
今回の日経の意識調査と同じです。
ウートピのアンケートの回答者は
未婚とはかぎらないでしょうが、
年齢層が20-30代ですから、
未婚者の割合が高いことは考えられます。
ウートピのアンケートと日経の意識調査は、
調査対象や条件が近いと考えられます。
そしてこれらのふたつの調査で、
非改姓結婚、夫婦別姓の希望に関して
ほぼ同じ結果になったということです。
未婚女性の3分の2は結婚改姓したくないと、
はっきりと言ってよいだろうと思います。
結婚改姓したくないかた、夫婦別姓を希望するかたは、
むしろ多数派ということになります。
一般のイメージや選択的夫婦別姓の反対派の
願望と違って、結婚改姓したくない女性は、
少数派ではないということです。