婚姻届けを付録にしたことを紹介する
毎日新聞の記事があります。
「『りぼん』異例の付録“婚姻届”狙いは読者開拓 結婚憧れる“女子あるある”共感」
(はてなブックマーク)
この記事では、コラボの企画担当者への
インタビューが出ています。
これを少し見てみたいと思います。
このインタビュー記事では問題にする
必要のあることがあると思います。
小・中学生の少女たちが自分が結婚改姓した
場合の名前を考えることが、
「女子あるある」と言っていることです。
その理由は「好きな人ができて、付き合えたら、
その人と結婚してずっと一緒にいたいな、
と素直に思える世代なのではないでしょうか?
みなさん経験があると思うのですが、
好きな男の子の名字と自分の名前をあわせてみたり、
自分の名字に男の子の名前をあわせてみたり、
将来生まれてくるであろう子どもの名前を
考えてみたり…」と“女子あるある”を挙げた。
自分が結婚改姓することを前提とすることを
少女たちの「素直な気持ち」であるかのように
お話することは問題があると思います。
このコメントの前に、小・中学生の
少女たちは結婚のワードに違和感や
抵抗感がないとコメントしています。
作品誕生のきっかけと今の小・中学生の
恋愛観について黒崎氏は「読者層に対して
『恋愛より先に結婚について考える』設定というのは、
確かに唐突だと大人は思うかもしれませんが、
読者のティーン世代は“結婚”のワードに
意外と違和感や抵抗感がないと思います」と説明。
このようにお話が続いていると、
少女たちは自分が結婚改姓することに
違和感や抵抗感がないかのように
聞こえないこともないです。
なぜそれが「女子あるある」になって
いるのかと言えば、「女の子は結婚したら
相手の夫の名字になる、それが結婚と
いうものだ」という社会通念によって、
少女たちに吹き込まれているからです。
なぜそんな社会通念を少女たちに
吹き込むかと言えば、結婚相手の女性に
改姓させて自分の名字を名乗らせたい
男性たちの既得権にかなうからです。
男性の既得権を守るための社会通念による、
少女たちへの刷り込みの存在を、
問題にするところだと言えます。
「結婚改姓してうれしい女性もいるはず、
それを批判をするほうこそ結婚改姓は
不幸というカチカンの押し付けだ」
などと言わないでいただきたいです。
結婚改姓が嬉しかった既婚女性は
いなかったこと、結婚改姓は面倒が多く、
女性ばかりが改姓するのは理不尽と
考える既婚女性も結構いた、という
インタビュー調査があります。
「結婚改姓を喜ぶ女性はいないらしい」
改姓にあたっての感慨を尋ねたところ,
やはり多いのは「そういうものだと思った」
「特に 何とも思わなかった」というものであったが,
やはり当然のように女性が改姓しなければ
ならないことに疑問を感じていた人もいた.
そして非常に多かったのが「改姓はとても面倒だった」という意見である.
一方,「是非変えたいと思った」
「それこそ結婚の証だと思った」という程の
強い思い入れも見られなかった.
この点,学生など20歳前後の場合,とりわけ女性は
ロマンチック・ラブ概念が先行しているため,
改姓に一種の憧れもあるようだが,実際に婚姻を経験している
女性たちにはそれ程の思い入れもなかったようである.
結婚改姓は多くの女性にとって
不幸や不本意な負担であるにもかかわらず、
それが女性の幸せであるかのように
少女たちは吹き込まれていることを
示していることになるでしょう。