2020年09月24日

toujyouka016.jpg 風俗業の補償対象外・前例との整合性がない?

9月19日エントリの続き。

性産業の事業者をコロナの補償対象から
はずしていることに対して、
国を相手に提訴を準備している
事業主がいることをお話しました。

性産業をコロナ対策の「持続化給付金」の
対象から外す理由として、中小企業庁は
「これまでと整合性が取れない」
という理由を強調しています。

「このままでは命を絶つしか… なぜ、風俗業は持続化給付金の対象外? 中小企業庁「過去の政策との整合性がとれない」」

 
中小企業庁の担当者はこれまで、
庁内でも持続化給付金を性風俗関連の事業者へと
支給する是非を検討してきたと説明。

その結果、「相当、色々なご意見をいただき、
調整がついていない」とした上で
「もともと対象外であるということを
変える判断には至っていない」
「対象に入れるべきでないという意見もあり、
折り合いがついていない」と説明した。

同時に担当者はこれまでも性風俗業関連の事業者が
こうした給付金の対象から外されてきたこととの
「整合性がとれない」という点を特に強調する。

「いままでがそうだったから」、
「今回から変えるわけにはいかない」なんて、
とんだ「前例主義」だと思います。


そうなると、なぜゆえその「前例」を
続けているのか、という疑問が出てきます。
いままでは性産業の事業者を
社会保障の対象としなかったのは、
どんな理由によるのかと思います。

この点について当然質疑がありました。
ところが中小企業庁は、性産業の事業者に対する
そのような「前例」を続けている理由を
はっきり示さなかったのでした。

申し入れに同席した立憲民主党の本多平直議員は、
そうした前例がなぜ生まれたのか追及したものの、
明確な答えは提示されなかった。


コロナの補償から性産業の事業者を
除外する「前例」には問題がないというなら、
中小企業庁は理由を示す必要があるでしょう。

それを示さないというのは、理由は「ない」か
「あっても言えない」のだろうと想像します。
性産業に対する差別意識、偏見が
原因ではないかという疑惑が出てきます。


ずっと続けられた「前例」であっても、
新しく問題となった事態に対応するため、
前例にないことや前例に反することを
導入することはいくらでもあります。

厚生労働省も性産業の関係者を補償から
外すという「前例」があったようです。
今回のコロナ対策では、「前例」にとわられず
性産業も補償の対象とすることを
厚生労働省は決めています。

これまで性風俗関連の業種や
そこで働く人々を給付の対象としてこなかった
雇用調整助成金や子育て世代への支援金について、
厚生労働省は今回、給付の対象とすることを決めている。

なぜ、中小企業庁は持続化給付金について、
同じようにその給付対象を変えることができないのか?
大阪府でデリヘルを経営する女性は疑問を呈す。

「前例」に問題があることであれば、
そんな「前例」は早急に取りやめて
現状に即した変革が必要になってきます。

問題のある「前例」であっても
整合性を取るべきと中小企業庁は考えている、
ということはないでしょうね?


「前例と整合性が取れない」が、理由として
まかり通るなら、どんな有害な因襲や差別でも、
なんら変革をせず続けることを
正当化できるというものです。

変革である以上、これまでにない
新しいことなのは当然です。
「これまでにない新しいこと」を理由に拒むなら、
必要な変革などできるはずもなく
進歩も改善もないというものです。

posted by たんぽぽ at 22:33 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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