2007年07月15日

toujyouka016.jpg バックラッシュ政権批判

6月20日に、立教大学のジェンダーフォーラムで、
「ジェンダー・バックラッシュの現状と未来への展望」という、
若桑みどり氏による、公開講演がありました。
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/gender-f/kouenkai.html
http://gaialog.jp/tarte/user_image/micchi/4XqiO88S.jpeg

わたしは、残念ながら、直接聴いたのではなく、
たとえば、つぎのウェブログなどで、どんなお話があったのか、
おおまかなところを、把握しているくらいですが。
「ジェンダー・バックラッシュの現状(若桑みどり)」
「若桑氏講演会後、あれこれ」

http://jijitsukon.ameblo.jp/jijitsukon/entry-10038061401.html
http://jijitsukon.ameblo.jp/jijitsukon/entry-10038266692.html

 
ご存知のように、安倍政権は、反ジェンダー平等を標榜していて、
政策というかたちで、それが推し進められつつあります。
当然これは、きわめて危険なことであり、あちこちで悪影響も出てきています。
研究者としても、彼らバックラッシュ政権を批判するべく、
立ち向かっていくと、おっしゃっていたそうです。

一般に、とんでもない人たちと、まともに議論することは、
とても非生産的であり、いちじるしく労力を消耗することは、
経験者ならよくご存知と思います。(参考1)(参考2)(参考3)
しかし、政権を掌握した以上、だれかが批判する必要のあることです。
始めるのが、遅かったような気もしますが、
それにあえていどむことには、おおいに評価したいと思います。

「ジェンダーフリー」ということばを、あえて使うことが、
よいのか悪いのか、わたしはわからないので、コメントは控えます。
(ちなみに、たんぽぽは、「ジェンダーフリー」が苦手で、
推進派とか、活動家とかには、ならないと決めています。
「とんでも」は批判されるべきと考えているので、
反バックラッシュではあると思うけれど。)


ところで、安倍政権のバックラッシュ批判については、
上述のように、学者先生たちは、危機感がたくさんありますし、
かの有名な(?)、『バックラッシュ!』という本が出たりして、
関心のある人たちのあいだでは、それなりに盛んなようです。

しかし、世間一般のあいだでは、あまり顕在化しないように思います。
どうも、ジェンダー問題は、一般的に政治に関心がある人の
興味を惹かないのか、「死角」になっているようで、
マスメディアでも、バックラッシュ批判は、あまり出てこないです。

『週刊現代』が、「『空虚なプリンス』の血脈」という題で、
去年の暮れに6回におよぶ特集を組んで、安倍批判を続けていたし、
そのあとも、安倍政権批判は、しばしば見られました。
しかし、ジェンダーに関して、安倍たちがやっていることは、
話題性は多いはずなのに、まったく取り上げられていないです。
(わざと無視したのでなく、本当に知らないのだと思います。)


「3500件の事例」アンケートなんて、タウンミーティングとちがって、
安倍が責任者として、直接手をくだしていますから、
それこそ、「任命責任」どころでは、すまないはずです。
自民党PTの設置自体、憲法違反の疑いがあると言われているのに、
国会で小宮山洋子議員が、ときどき批判するくらいです。

まったくもって、残念と言わざるをえないです。
アベを叩きたい雑誌社のかたで、これをご覧になっていましたら、
このあたりを、ぜひ取り上げていただけたらと思います。
絶好のねたですし、だれも手を付けてないので、早いもの勝ちですよ。

posted by たんぽぽ at 00:57 | Comment(4) | TrackBack(4) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - バックラッシュ政権批判 web拍手
この記事へのコメント
私のつたないブログを紹介してもらって、大変恐縮です・・。
思えば、私も反・アンチジェンダーフリーなんだと思います。
ジェンダーフリーとは大事な観点ですが、しかし、そのゴールが、
男女混合名簿とか、ランドセルの赤をやめるとか・・
だとすると正直がっくりです。
また意図的にしろ無意識にしろ、ジェンダーフリーをセックスフリーとの混同、
ひいてはフリーセックスとまで・・・、
ここまで、言葉の混同があると、横文字コンプレックスの日本人には、
きちんと日本語で行政フェミニズムをやっていかないと限界なのかなと思います。
ともあれ、「バックラッシュ派のトンデモぶりには困ります〜」なんて言ってたうちはまだいいが、
それが政権の中枢となると事態は深刻です。
Posted by うがんざき at 2007年07月15日 10:14
こんにちは、コメントありがとうです。
(いえいえ、かねてから問題意識のあったことでして...)

わたしが、ジェンダーフリーが苦手なのは、
多分に感情的なことなんだけどね...(苦笑)
どうも、某掲示板でなされていた議論を思い出しちゃって、
(もちろんあんなものは、本来のジェンダーフリーではないんだけど。)
かえって押し付けがましいものを、感じてしまうのだった...

セックスフリーとか反性教育は、もともとバックラッシュたちが、
イデオロギーにしていたことだから、ことばをどう変えても、
言いがかりをつけてきそうな感じです。
(「ジェンダーフリー」という語感が、噛み付きやすくしたのも、
あるのかもしれないけれど。)


政権の中枢に入り込まれたわけは、わたしなりに思うことがありまして...
一般に、バックラッシュ批判側は、対象が政治家であっても、
非政治的な言論のレベルに、とどまっているように思います。
(政策推進というスタンスに、なりきっていない。)
というか、政治や政治家に対する不信は、
世間一般の人たちと、同じなんじゃないかな...?

バックラッシュは、山谷えり子をかつぐとか、
まがりなりにも、政治家というものを信頼していたからね...
このあたりも、政権を掌握できたゆえんの、ひとつのように思います。
Posted by たんぽぽ at 2007年07月15日 15:03
たんぽぽさん、トラックバックありがとうございました。
たんぽぽさんのブログを拝見させていただきまし
なるほどなーそういう考え方もあるんだなーってとてもよく納得できました。
私は、
自分自身も夫婦別姓を選んでいるものです。
あと、論争の発端となっている「ジェンダー」という言葉や、「ジェンダーフリー(差別からの自由)」という言葉に共感し、この言葉に出会ったときには、ありがたいなーと思い、できれば推進したい〜!と思ってきました。
それをみんな共産主義フェミニストと言われるのには納得できないですね。
私は、共産主義でもなければ、フェミニストでもない、もっと自由なスタンスでいたいと常に思っています。
男とか女とかというものに縛られずに常に自分らしくありたいし、自分らしさを尊重し合いたい・・・
そういう社会を生活レベルで実現したいと思っているだけなのに、活字で書くとどういうわけか、「過激」と思われてしまいがち。
私もたんぽぽさんと同様に思うのですが、
男女共同参画を豪語する人たちの表現にも問題があるのかなーと。
とても、強い主張で、独創的ですよね。
内容は良くても、あの姿勢には共感ができないです。

その点、山谷えり子氏なんかは、表現がうまいと思います。
が、彼女が「禁欲がエイズ予防につながる」などといったどこにも書いていないデータをまるでアメリカの調査で実存しているかのように引用するのは、政治家としてどうかな・・・と疑問視するところはあります。


私ももっと勉強して、自分の考えを表現していかなければいけないなーと、
たんぽぽさんのブログを読んで改めて思いました。
ありがとうございました。
また遊びに来ますね。


Posted by ミッチ。 at 2007年07月17日 12:21
ミッチ。さま、はじめまして。
わたしのウェブログに、起こしくださいまして、
まことにありがとうございます。

>自分自身も夫婦別姓を選んでいるものです。

おお、お仲間ですね♪
こちらこそ、よろしくお願いしますね。


「共産主義だ!」といきまくのは、じつはバックラッシュは、
宗教勢力と結びついているので、それもあるのだど思います。
でも、どうことばを変えても、難くせをつけてくるんでしょうけどね...
(「男女平等は賛成だが、ジェンダーフリーは反対」
などと言ってきたときは、「なにをしゃあしゃあと...」と、
ツラの皮の厚いものを感じたよ。)
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/movement/telegraph2.html

男女共同参画を主張する人たちとのかかわりは、
わたしの体験に、一般性があるのかはわからないけど...
でも、運動やっている人というのは、信念を持っていて、
一方向に思いつめるせいか、変な方向に走りやすいものは、
ありそうだなと感じてはおります。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/introduction/gender.html
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/introduction/politics.html


>彼女が「禁欲がエイズ予防につながる」などといった
>どこにも書いていないデータをまるでアメリカの調査で
>実存しているかのように引用する

このお話は、寡聞にして始めて知りました。
(でも、山谷えり子なら、さもありなんなことです、はい。)
というか、バックラッシュは、事実の曲解や、
ありもしないうそを、平気で吐くことはいくらでもあるんだけど。

じつは、山谷えり子は、民主党時代にも、選択別姓賛成の公約を、
守るフリをして当選し、しばらくしてから、きゅうに反対を表明をして、
党内を混乱させたこともあったのだよ...
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/movement/yamatani1.html


>私ももっと勉強して、自分の考えを表現していかなければいけないなーと、
>たんぽぽさんのブログを読んで改めて思いました。

ああ、いえいえ。
つたないブログなので、お誉めにあずかられて、恐縮なかぎりです。
...というわけで、また、いらっしゃってくださいね。
Posted by たんぽぽ at 2007年07月18日 08:17

この記事へのトラックバック

政権運営って、なんじゃ?
Excerpt: 山本金融担当相コメント山本 有二・金融担当相によるコメントが入ってきましたので、...
Weblog: ニュースデスク
Tracked: 2007-07-31 21:02

政権運営の時間です
Excerpt: 首相続投「現政権は過去10〜15年で最も好調を持続しており、今後も...
Weblog: ニュース24時
Tracked: 2007-07-31 23:47

政権運営を見なきゃ!
Excerpt: バックラッシュ政権批判6月20日に、立教大学のジェンダーフォーラムで、 「ジェン...
Weblog: ニュース見なきゃ♪
Tracked: 2007-08-01 01:57

政権運営
Excerpt: バックラッシュ政権批判6月20日に、立教大学のジェンダーフォーラムで、 「ジェンダー・バックラッシュの現状と未来への展望」という、 若桑みどり氏による、公開講演がありました。 http://www.r..
Weblog: 楽天アンジェ
Tracked: 2007-08-01 03:31