男女共同参画基本計画の選択的夫婦別姓に
関する記述が、12月15日に了承され、
12月18日に閣議決定されました。
「政府「選択的夫婦別姓」文言削除 自民反対派主張で大幅に表現後退」
「自民、選択的夫婦別姓削除し了承 男女参画計画、18日にも閣議決定」
(はてなブックマーク)
なぜ了承されたかというと、内容が大幅に
自民党内の選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)に
譲歩したものとなったからです。
時事通信の記事を全文引用します。
自民党は15日、内閣第1部会と
女性活躍推進特別委員会の合同会議を党本部で開き、
政府の第5次男女共同参画基本計画案を了承した。
当初案に入っていた「選択的夫婦別氏(姓)」の
文言は削除され、「夫婦の氏に関する
具体的な制度の在り方に関し、
さらなる検討を進める」との表現で決着した。
与党の党内手続きを経て、政府は18日にも閣議決定する。
同計画案をめぐっては、選択的夫婦別姓の導入に
賛否それぞれの立場から意見が相次ぎ、
3度にわたり合同会議での了承が見送られた。
最終案は、旧姓の通称使用拡大を明記。
その上で「婚姻前の氏を使えないことが
婚姻後の生活の支障になっている」
との声を紹介しつつ、制度検討に当たっては
「夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、
家族の一体感、子どもへの影響も考慮」するとした。
当初案は、夫婦に同じ姓を義務付ける
現行制度について「女性活躍の妨げ」
「少子化の一因」などと踏み込んだ。
しかし、党内の保守系議員らが猛反発。
最終案は、選択的夫婦別姓に関する記述が大幅に後退した。
推進派からは「(5年前に策定した)
第4次計画より後退と受け取られる」と
批判の声が上がる一方、選択的夫婦別姓の
「具体的な制度検討に入ることができる」と
容認する意見も出たため、了承に至った。
記事で触れている範囲だけ見てもかなりお粗末です。
最初に推進派議員たちが準備した原案は、
ほとんど原型をとどめなくなっています。
反対派(非共存派)の主張だけが
載せられたと言っていいレベルです。
推進派たちは完全に押し切られ、
反対派の思い通りになったというところです。
男女共同参画計画の選択的夫婦別姓に
関する記述は、相当に後退した内容しか
載せられないだろうと、わたしは予想していました。
この予想は当たったという、
はなはだ残念なことになりました。
予想通りの展開です。男女共同参画の基本計画には、おそらく選択的夫婦別姓は相当に後退した内容しか載せられないのではないかと、わたしは予想します
— たんぽぽ (@pissenlit_10) December 10, 2020
とりわけひどいのは「選択的夫婦別姓」の
文言自体が削除されたことです。
推進派の準備した原案どころか、現状からも
相当に後退していると言わざるをえないです。
これまでの基本計画ですら「選択的夫婦別姓の導入‥検討をすすめる」と書かれていたのに、肝心な言葉が削除。代わりに「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方」というのは後退と言われて致し方ない。せめて、『選択的夫婦別姓はじめ夫婦の氏に‥』にすべき。 https://t.co/gsaXdT0ffb
— 鈴木貴子【自民党/衆議院議員/すずきたかこ】 (@_SuzukiTakako_) December 15, 2020
さすがのわたしも「選択的夫婦別姓」の
文字列が消えるところまで後退する
というのは、予想しなかったです。
自民党政権では選択的夫婦別姓の実現は
ありえないことが、今回の男女共同参画の
基本計画であらためて示されたと思います。
(「はじめて示された」ではない。)
いままでもずっとこんな調子でした。
頑迷きわまりない反対派(非共存派)を
どうすることもできず、推進派議員が
いくら尽力してもなんの成果も得られない、
という顛末の繰り返しです。
今回のことで新しい発見があるとしたら、
自民党は選択的夫婦別姓の実現に対して
まったく無力どころか、
後退する可能性さえもあることが
示されたことかもしれないです。
#選択的夫婦別姓 に関心のある方は読んでおいたほうがいいですよ。今声を上げておかないと、以前よりも後退してしまう。意見や要望は届いているけれど自民党はそれを考慮する気がないと示されています。
— 白央篤司 (@hakuo416) December 15, 2020
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