2021年01月06日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓を選択できず結婚断念の割合(2)

1月4日エントリの続き。

早稲田大・棚村研究室と「全国陳情アクション」の
合同アンケートでは、夫婦別姓を選択できないので
結婚をあきらめたかたの割合も調べています。

「20〜50代の7割が賛成!47都道府県「選択的夫婦別姓」全国意識調査の概要」
「47都道府県「選択的夫婦別姓」意識調査レポート」(PDF)

 
設問3:別姓が選べないために結婚を諦めたことや、
事実婚にしたことがありますか。
 @ある Aない

これはさらに属性ごとの内訳を示しています。
ここでは表のいちばん右のマリッジステートを
見てみることにします。




この表は、結婚を断念した「経験あり」の
94人(1.3%)のうち、「独身」が39.4%、
「既婚」が38.3%、「事実婚」が22.3%
ということを示しています。
「事実婚」を「独身」「既婚」から
わけていることが特徴的です。



「独身」の39.4%は事実婚でもない、
ということですから、現在もずっと相手のかたと、
結婚できないままでいることになります。
婚姻していたけれど離婚して独身になったかたも、
一定数いることも考えられます。

「既婚」の38.3%は、一度は夫婦同姓の
強制のせいで結婚を断念するか
事実婚を選んだけれど、現在は婚姻届けを
出しているということになります。

名前のために非婚でい続けるかたと、
法律婚で得られる権利のために、
名前の不便をやむなしとするかたは
同じくらいいるということになりそうです。


「事実婚」の22.3%のかたは
名前を守るために、現在の相手とずっと
事実婚でいるかたが多いと思います。
一度法律婚をしたけれど、名前を守るために
不便なので、事実婚に切り替えたかたも
一定数いることも考えられます。

とくに注目したいのは、「経験なし」の
0.8%が「事実婚」ということです。
このかたたちが事実婚にしているのは、
夫婦別姓を選択できないためではない、
ということになります。

0.8%というのはきわめて少ないです。
これは日本で事実婚を選択するかたは、
ほとんどすべてが「夫婦別姓を選択できないため」、
ということを示しているでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:38 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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