東京オリンピック組織委員会の会長だった
森喜朗が「女性が多い会議は時間がかかる」という
趣旨の発言をして、物議をかもしています。
「「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」森喜朗氏」
(はてなブックマーク)
「森喜朗氏「女性がたくさん入っている理事会は…」3日の“蔑視”発言全文」
これはテレビがあるからやりにくいんだが。
女性理事を選ぶというのは、
日本は文科省がうるさくいうんですよね。
だけど、女性がたくさん入っている理事会は、
理事会の会議は時間がかかります。
これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。
女性がなんと10人くらいいるのか?
5人いるのか? 女性っていうのは競争意識が強い。
誰か1人が手をあげていうと、
自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。
それでみんな発言されるんです。
結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、
悪口言った、とかなりますけど、
女性を必ずしも数を増やしていく場合は、
発言の時間をある程度、規制をしていかないと
なかなか終わらないで困るといっておられた。
だれが言ったとは言わないが。そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ?
7人くらいか。7人くらいおりますが、
みんなわきまえておられて。
みんな競技団体からのご出身であり、
国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。
ですから、お話もシュッとして、的を射た、
そういう我々は非常に役立っておりますが。
次は女性を選ぼうと、そういうわけであります。
「女性は競争意識が強いから、
他人より多く発言しようとする」なんて、
どこにそんな事実があるのかわからない
根拠のない偏見としか言いようがないです。
森喜朗のかかる発言は、日本オリンピック
委員会(JOC)の理事に女性を増やせと
言われていることを、不愉快に思っての
ものであることはあきらかです。
ジェンダー差別の批判はまぬがれないでしょう。
2月5日の東京スポーツの記事を見ると、
JOCの理事会で女性が多く発言する
という事実はあるようです。
JOC理事会の実情について、ある理事は
「森さんの言っていることは、ある意味では本当」と指摘。
「女性しか発言しない。特に山口(香)さん、
小谷(実可子)さん、高橋(尚子)さんの
3人は非常によく発言する。
でも男性はほとんど発言しません」
これはよく発言する女性たちは、
それだけ問題意識を持って、まじめに取り組んで
いるからであろうことは想像にがたくないです。
それを森喜朗は「競争意識が強いから」と
曲解しているのだろうと思います。
彼女たちは必要な議論をしているのであって、
無駄に議論を長引かせているのではないでしょう。
ここで問題にする必要があるのは、
「男性たちが発言しない」ことだと思います。
どうやらJOCの理事会は「有能な女性たちと、
上の顔色を伺って保身に走る男性たち」という、
「いかにも」な図式におちいっているようです。
JOCは2019年から理事会を非公開としたが
「時代に逆行している」と批判を浴びた。
忌憚のない発言をという山下会長の
考えだったにもかかわらず、結局今でも積極的に
スポーツ界発展のために発言しているのは
現役時代に柔道、アーティスティックスイミング、
マラソンで世界のトップにいた女性陣ばかりだという。
かたや男性理事たちは上の顔色ばかりをうかがって、
事なかれ主義に陥っているとは…。
そんな状況を男たちがゆゆしく思って、
「女が多いと会議が長引く」という
森喜朗の発言となったようです。
スポーツ界では陰で「森さんの手下」と
呼ばれるほど、山下会長と森会長は蜜月関係にある。
森会長としてはJOC内部の実情は当然聞いており、
3人のオンナ≠ノ手を焼く弟分に加勢するあまり、
つい本音の女性蔑視発言が出た…といったところか。
今回の発言は森喜朗本人の差別意識の
あらわれですが、それだけでなくJOCの
差別体質の反映でもあったと言えそうです。
追記:
少し加筆した。