2021年03月17日

toujyouka016.jpg 聖火走者辞退・森喜朗発言を伏せようとした

森喜朗の「女が多い会議は時間がかかる」
発言を理由に、オリンピックの聖火ランナーを
辞退するかたが出ていることを、
2月16日エントリで少しだけ触れました。

そうした聖火ランナーの辞退者のひとりに
長崎県の大学院生がいたのですが、
長崎県が辞退理由を、森喜朗発言を伏せて
べつのこととすることを提案していました。

 
「聖火走者辞退で別理由提案、長崎 女性蔑視に反発の大学院生へ」
(はてなブックマーク)
「聖火ランナー辞退の女性理由隠蔽≠ノ怒り「森会長の名前を出していただかないと困る」」
(はてなブックマーク)

だが、25日に県から再び
「辞退理由をどう表記するか?」との連絡がきた。
メディア対応を想定しての質問だったという。
諸国さんは「そのままお答えいただければ」と返答すると、
翌26日に2通のメールが届いた。
1通目は辞退理由を「組織委員会への不満」とする提案。
さらに約10分後に届いた2通目で
「諸般の事情」とするよう提案された。
県の担当者は「本人のことを思い、
中立的な表現がいいと考えた」と説明しているというが、
諸国さんは「そもそも代替の文章は向こうが
考えるものではない」と納得がいくはずもない。

長崎県は聖火ランナーの辞退理由を
最初は「組織委員会への不満」とすること、
ついで「諸般の事情」とすることを提案しています。

聖火ランナーを辞退する大学院生は
こんな扱いに納得はしなかったです。
自分の辞退理由は森喜朗のジェンダー差別発言に
あることをしめすよう主張を続け、
最終的には森喜朗発言が理由とされました。


聖火ランナーの辞退理由が森喜朗の発言に
あることを伏せることを、長崎県はなぜか
「本人のことを思った」などと言っています。

あきらかに本人の意思に反したことを
「本人のため」などと長崎県は考えたのはなぜか、
想像はつかないでもないです。

「差別反対やジェンダー平等を訴える人は
社会からやっかいものと思われる」と、
長崎県は判断したものと思います。
旧来の固定観念にとらわれた発想だと思います。
ある意味「日本的」でもあると思います。


現状は、ジェンダー問題に関して
社会はまがりなりにも敏感になっています。
森喜朗の「女が多い会議」発言は、
国際世論だけでなく国内世論も批判的でした。

そうした中にあって、「差別反対や
ジェンダー平等を訴える人だと、
社会から思われないほうがいい」などという
「保身」に走るというのは、
長崎県の関係者の意識は現状から
乖離していると言わざるをえないです。

しかも聖火ランナー辞退は森喜朗発言が
原因であることを伏せることを、
長崎県の関係者は「中立的」とも言っています。

こんな恣意的な扱いを「中立的」と思うあたり、
長崎県は社会がジェンダー問題に
敏感になってきている現状が、
見えていないのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 12:22 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 聖火走者辞退・森喜朗発言を伏せようとした web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]