山口県宇部市のパブリックコメントで、
同性カップルのパートナーシップに反対する
意見が大量に送られたことの続きです。
「LGBTカップルの認定、導入延期 パブコメに反対多数」
(はてなブックマーク)
パブリックコメントの本来の意義については、
だいぶ前にわたしはお話したことがあります。
「パブリックコメントの意味」
それは専門知識を持ったかたは
現状をよく知っているかたから
意見や質疑を集めるというものです。
「その道のプロ」である官僚や行政担当者が、
制度設計の参考にするための
意見を集めるということです。
よってパブリックコメントで
求められるのは「説得力のある意見」や
「検討に値する意見」ということになります。
「多数決」ではないので、同じ趣旨の意見を
たくさん送っても「1件」になります。
また説得力のない意見や検討に値しない意見は、
いくつ送っても数に入らないです。
だーかーらー、パブリックコメントは、在野の有識者や現場の当事者の声を吸い上げて参考にするのが目的で、多数決の道具じゃないでしょ? 実施してる行政側自身がそれをわかってないんじゃないかと思う。 / “LGBTカップルの認定、導入延期 パブコメに反対多数:朝日新聞…” https://t.co/MqquTX5e78
— filinion (@filinion_es) March 6, 2021
宇部市に送られた同性カップルの
パートナーシップのパブリックコメントも
同趣旨の意見が多数寄せられています。
これらは「1件」扱いです。
そもそも寄せられた意見は検討に
値するかどうかもわからないです。
見たところジェンダー問題に関する
まともな見識があるかたであれば、
反対意見は検討に値しないものばかりです。
賛成意見は「法律婚にある夫婦との
サービスの差が解消できるよう努めてほしい」(23件)
▽「より広範囲の地域で使える制度にしてもらいたい」(2件)など。
一方、反対意見は「結婚して子どもを育てるのが
本来の家庭のあり方」(33件)
▽「新たな制度を導入しなくても現行の施策の
活用で個人の人権は守られる」(25件)
▽「制度導入は時期尚早」(22件)
▽「多様な性を学ばせることで、未成熟な子どもの
精神的な混乱を招く」(19件)などだった。
これらの反対意見はネトウヨだか
どこかの宗教団体だかが、
大挙して送った可能性があります。
どこの集団が送ったにしても、テンプレートを
用意していたことも考えられます。
パブリックコメントは「多数決」ではないので、
このようなことをしてもまったく
意味がないことになります。
こうした場でひずんだ反対意見を
大量に送る人たちは、パブリックコメントの
意義を理解していない可能性は高いです。
それで意味がないことでも
それがわからなくて説得力のない意見を
大量に送ってよこすのだろうと思います。
こんなひずんだ反対意見を送る人たちは、
同じような意見を大量に送りつけるという、
「物量作戦」以外の手段を
持ち合わせていないことも多いです。
それゆえパブリックコメントにかぎらず
どんな意見募集の場でも、同じように
「物量作戦」を使うしかないのでしょう。
彼らは事実と根拠を持って他者を
説得するだけの意思と能力はないのでしょう。
数の力にあかせて威圧するしか、
できないのだろうと思います。
彼らはパブリックコメントもその趣旨には
関係なく、ただ同性結婚のパートナーシップを
導入する側を威圧できればいい、
ということだとも考えられます。