想田和弘氏と柏木規与子氏夫妻による、
夫婦別姓・確認訴訟によって、
外国で婚姻届けを出して夫婦別姓の場合でも、
日本国内で婚姻は有効となることが
はっきりしたのでした。
「外国で夫婦別姓・日本国内で有効の判決」
現在、外務省のサイトを見ると、
日本人どうしが外国の方式で婚姻した場合の
解説がつぎのようになっています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/koseki/index.html
(4)の届け出に必要な書類を見ると
(A)「婚姻届け」というものがあります。
「現行民法で夫婦別姓で法律婚をする」
これはすでに外国で婚姻している
という「報告的届け出」のときは、
(4)-(A)の「婚姻届け」は必要ないことが、
通則法24条で定められていることが、
今回の夫婦別姓訴訟で確認されたのでした。
それゆえ日本の婚姻届けで要求される
夫婦の氏を決めて夫婦同姓とすることも、
外国での婚姻について「報告的届け出」をする
場合には要求されないことになります。
それゆえ外国で婚姻して夫婦別姓でも、
日本国内で婚姻が認められることになります。
(4)-(A)の「婚姻届け」は、これから
日本で婚姻をしようとする場合、
つまり「創設的届け出」をするときに必要な書類です。
日本人どうしが外国方式で婚姻した場合、
(4)-(A)の「婚姻届け」はかならずしも
提出するいわれのない書類になります。
外務省がサイトで述べている
「日本人どうしが外国方式で婚姻した場合」の
解説を見たかぎりでは、かならず「婚姻届け」の
提出が必要だと思われます。
それゆえ「婚姻届け」が必要というくだりを
削除して書き直す必要があるでしょう。
サイトの最初にある「婚姻した事実を
戸籍に記載する必要がありますので」も、
書き改めることになると思います。
外国方式の婚姻で夫婦別姓の場合でも、
日本国内で婚姻は有効となりますが、
日本の戸籍への記載はしない、
というのが今回の東京地裁の判決です。
かならずしも戸籍に記載はしない、
夫婦別姓のままでいるときは、
戸籍に記載しないことになる、という趣旨のことを、
外務省はサイトでしめしておく必要があるでしょう。
付記:
外務省のサイトにある(4)-(A)「婚姻届け」は
本来必要ない書類だということは、
以前ご紹介した、「夫婦別姓訴訟の
最高裁判例を崩す」という記事でも
述べられていたものです。
「【裏技編】「夫婦別姓訴訟」最高裁判決の崩し方」
ところで、先程の外務省HPで記載のあった、
3ヶ月以内に外国の婚姻証明書等を
出さなければいけないというのは、
戸籍法に定められていることです
ただ、実は、ここで求めているのは、
あくまでも外国が作成した証明書であって、
このような場合に日本形式の婚姻届を
改めて日本に出すことまで、
法律で要求はされていないのです