2021年05月24日

toujyouka016.jpg 種の保存にあらがう?古典的な反同性愛

5月23日エントリの続き。

性的少数者に対する理解増進法案が、
自民党の反対派の猛反発で見送りになった
というニュースの続き。

「「いろんな副作用も」LGBT理解増進法案 自民部会で紛糾 了承見送り」
(はてなブックマーク)
「「種の保存にあらがう」 自民議員のLGBT差別相次ぐ」
(はてなブックマーク)
「LGBT法案「種の保存に背く」「裁判あちこちで起こす」……自民党内で相次いだ“慎重論”の中身」

自民党の反対派の中には「同性愛は
種の保存にあらがう」という主張もあります。
まだこんなことを言っているのかと思います。

 
「子どもを作れないから生物として
間違っている」なんて、もはや古典的な
同性愛差別だと思います。

むかしツイッターで、「同性結婚は子孫を
作れないから生物の目的に反する」などと
言って炎上した人もいたのでした。

「同性結婚と生物の目的?」


同性愛は実は多くの動物で見られます。
1500種程度の動物で確認されているし、
そのうちの500種ほどは同性愛行動の
信頼できる記録があります。

「動物の同性愛に遺伝的な利点、仲間の繁殖力が強化されることが判明(スウェーデン研究)」

自然界にはかつて専門家が一部の例外として
否定してきた同性愛が、それまで考えられていた以上に
普通に存在することが明らかとなりつつある。
エミュー、鶏、コアラ、サケ、猫、フクロウ、イルカなど、
自然界の同性愛は1,500種で目撃されており、
そのうち3分の1できちんと
信頼の置ける記録が取られている。

多くの動物に幅広く同性愛が見られる、
ということは、同性愛は種の保存に
あらがっていないどころか、むしろ有利に
働くことを示していると言えます。

同性愛が種の保存に不利なら、
とっくのむかしに淘汰されて、
同性愛の見られる動物は
ほとんどいなくなっているでしょう。


なぜ同性愛の存在が種の保存に
有利に働くかは、残念ながらいまのところ、
はっきりとはわかっていないです。

上述のサイトでは、同性愛の遺伝子が
異性に入ると繁殖に有利になると
考えられる、という研究を示しています。

スウェーデン、ウプサラ大学の生態遺伝学科の研究者は、
一方の性では発現すると同性愛を促す遺伝子が、
他方の性で発現すると別のメリットがある場合に、
同性愛が起きるのではないかと仮説を立てた。

同性愛が幅広い動物で見られる理由が
なんであるにせよ、自民党の反対派が
言っている「同性愛は種の保存にあらがう」が
科学認識として間違っている
ということはたしかそうです。

posted by たんぽぽ at 22:21 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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