自民党は選択的夫婦別姓の導入推進に
公約を変えれば、つぎの衆院選で
大勝利する可能性があると考えている
ツイートについての続きです。
選択的夫婦別姓の議論を衆院選後に持ってくるのは、そこを選挙の争点にすると負けるからだろうなと思っていたけど、今般の前哨戦で自民が全敗した今、思い切って賛成に鞍替えすれば衆院選大勝利のチャンスなのにな
— Dr Remi (@DrRemi3) April 27, 2021
ふたつ目の論点は「選択的夫婦別姓の導入を
公約にすれば票が集まるか?」です。
この答えも、わたしは否定的です。
自民党が選択的夫婦別姓に
賛成したところで票はたいして
集まらないだろうと思います。
また選択的夫婦別姓に反対しても、
さほど票が離れることはないと思います。
自民党を支持したり投票する人は、
選択的夫婦別姓にはさほど関心がないと思います。
賛成だろうと反対だろうと
この際どうでもいいという人が
大半だろうと、おそらく思います。
最近は自民党支持層でも選択的夫婦別姓に
賛成する割合が高くなっています。
朝日新聞と東京大学・谷口将紀研究室の
合同調査によると、2020年には自民党支持層の
54%が選択的夫婦別姓に賛成です。
「夫婦別姓と同性婚・自民支持層でも賛成増」
これらの人たちは、選択的夫婦別姓の是非を
訊かれたから、こう答えたものと思います。
選択的夫婦別姓の立ち位置で自民党を
支持・投票するというわけでは
おそらくないだろうと思います。
彼らにとって選択的夫婦別姓は
投票行動を決めるほとの重要争点では
ないのではないか、ということです。
かくして自民党は選択的夫婦別姓の
スタンスを賛成、反対のいずれを取っても、
一般の支持層からの支持や票の変動は
ほとんどないだろうと考えられます。
そうなると、自民党は選択的夫婦別姓問題に
熱心になるモチベーションはないことになります。
それゆえ自民党は選択的夫婦別姓に
不熱心となり、あとは党内で異様に声の大きい
反対派(非共存派)議員の主張が
まかり通るということだと思います。
自民党の組織的な固定支持層の中には、
選択的夫婦別姓に反対することに
熱心な支持基盤も多いです。
それゆえ自民党は選択的夫婦別姓に
賛成すると、彼ら固定支持層の支持を
失なう危険が高くなります。
そして反対すると、固定支持層から
強力な支持を得られることになります。
固定支持層からの支持や選挙協力を
確保するという観点から考えると、
自民党は選択的夫婦別姓に反対するほうが
組織票を得られることになります。
最後に残るのは無党派層からの浮動票です。
これは次の選挙で選択的夫婦別姓が
どれだけ重要な争点となるかに
かかっていると思います。
わたしが見たところ選択的夫婦別姓は、
一定の争点にはなりそうですが、
重要な争点にはならないだろうと思います。
現状を見たかぎりでは、選択的夫婦別姓に
反対するから自民党に投票しない
といったような、政局に影響が出るレベルでの
動きは顕在化していないと思います。
それゆえ自民党が選択的夫婦別姓に
賛成したら無党派層から票が入るとか、
反対したら票が逃げるというほどには、
いたらないのではないかと思います。