東京都議会選挙における女性当選者は、
まがりなりにも増加を続けています。
そこで女性当選者の人数と割合の推移を、
少しくわしく見てみることにします。
「東京都議会やっと女性32%」
平成時代の1993年から見ていきます。
定数は1993年だけ128で、あとは127です。
東京都議選の女性当選者数と女性当選者の割合。
1993年 11 (8.6%)
1997年 13 (10.2%)
2001年 19 (15.0%)
2005年 22 (17.3%)
2009年 24 (18.9%)
2013年 25 (19.7%)
2017年 36 (28.3%)
2021年 41 (32.3%)
東京都議選の女性候補者数も
参考までに示しておきます。
1993年 42
1997年 47
2001年 44
2005年 40
2009年 52
2013年 53
2017年 65
2021年 77
1993年以来、東京都議会の女性議員は
単調に増加を続けています。
それでも増加のペースは早いとは
言えない状況が続いていました。
大きな増えかたを示したのは2017年です。
女性の当選者が36人で、人数はその前の
2013年から11人増えています。
割合も2013年の19.7%から、2017年の28.3%と
10ポイント近く増えています。
とくに2017年は「クリティカル・マス」の
30%に迫ったことが大きいです。
「都議会選・女性議員が大幅増加」
2017年は都民ファーストが圧勝しました。
その都民ファーストの公認候補は
女性が18人と比較的多く、かつ女性候補者が
全員当選したことが、女性の当選者を
増やす大きな要因となりました。
また2017年の東京都議会選挙は
共産党も女性候補者が多く、
かつ健闘したことも影響しました。
今回の2021年の東京都議会選は、
ついに30%の「クリティカル・マス」を
超えることになったのでした。
共産党と都民ファーストが、女性当選者を
増やすことに大きく貢献しています。
共産 14人(74%)
都民ファースト 12人(39%)
立憲民主 4人(27%)
自民 4人(12%)
公明 3人(13%)
生活者ネット 1人(100%)
無所属 3人(75%)
結果によれば、このたびの都議選で、
候補者の半分以上を女性にした政党・政治団体は、
生活者ネット(100%)、れいわ新選組(100%)、
共産党(58.6%)の3党です。
2017年から急速に東京都議会で
女性当選者が増えたのは、
都民ファーストと共産党が
健闘したということになるでしょう。
共産党は候補者擁立の段階で、
女性の割合が58.6%と半数以上です。
意識して女性を擁立しているのでしょう。
熱心さがあらわれていると思います。
そして共産党は当選者の74%が女性です。
単に女性を擁立するだけでなく、
「勝てる候補」を擁立している、
ということでもあります。
都民ファーストは、共産党や立憲民主党、
れいわ新選組などとくらべると、
リベラルという印象は薄いように思います。
それでも党首が女性なので、
女性候補者の擁立にはそれなりに
熱心になるということなのでしょう。