東京オリンピックの開会式のショーディレクターだった
小林賢太郎氏が、開会前日の7月22日に
突如解任されることになりました。
原因は過去のコントでユダヤ人虐殺を
揶揄するセリフを使っていたからです。
「開閉会式担当 小林賢太郎氏解任 ユダヤ系団体 過去コント非難」
問題の発言は1998年5月のものです。
小林賢太郎氏が「ラーメンズ」というユニットで、
片桐仁氏とコントをしていたときに出てきました。
「小林賢太郎も…東京五輪辞任ラッシュで日本が背負う「恥の山」」
問題の発言は1998年5月に発売された
VHS「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」に
収録されているラーメンズのコントだった。
2人の設定は、過去にあった
NHKの教育番組「できるかな」のパロディで
小林が「ノッポさん」に、
片桐が「ゴン太くん」に扮している。
野球場の模型のようなものを作るという設定で、
“観客は”…という流れの中で片桐が、
「ちょっとやってみよっか。
『ちょうどこういう人の形に切った紙』が
いっぱいあるから」と言うと小林氏が
「ああ、あの『ユダヤ人大量惨殺ごっこ』
やろうって言った時のな」
というセリフを言い放ったのだ。
この「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」は、
ヒトラー・ナチスによるユダヤ人虐殺を
さしているものと思います。
オリンピックは世界平和と国際親善を
目的としたイベントです。
そうしたイベントにおいて、
世界史上最悪の大虐殺を揶揄する
発言などおおよそふさわしくないことは、
言うまでもないでしょう。
「ユダヤ人虐殺ごっこ」発言に関しては、
小林賢太郎氏から辞任の申し出もありました。
それでもオリンピック組織委員会は
辞任を受けず「解任」にしました。
「五輪組織委、小林賢太郎氏の辞任受け付けず「解任」 橋本聖子会長「今回は早急に解任の手続きを取った」」
「問題が発覚して、外交上の問題もあると思った。
本人の辞任を受諾したことであったが、
今回も、前回もすべて、大変大きな問題と認識のもと、
今回は早急に解任の手続きを取った。
問題がアンチ・セミティズムという
深刻なことゆえに、オリンピック組織委員会は
あえて解任という厳しい措置を
とったということのようです。
ほかに森喜朗、佐々木宏、小山田圭吾と
辞任が続いているので、これくらい厳しい態度を
取らなければ自分たちの責任がはたせないと
考えたのも、あるかもしれないです。
小林賢太郎氏の問題発言は、
サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)から
非難声明が公式に出されました。
「開会式前日の演出担当者解任、ホロコースト、過去には雑誌廃刊」
サイモン・ウィーゼンタール・センターは
21日の声明で、「日本のメディアによると」と
断ったうえで、小林氏を名指しし、
「ナチスによる600万人にのぼる虐殺を
コメディの材料として利用し、悪意ある
嫌悪すべきジョークを飛ばした」、
「創造性があっても、いかなる人物も虐殺を
からかうことは許されない」(サイモン・ウィーゼンタール
センターのホームページ)ときびしく非難した。
SWCから言われたら、厳しい措置が
くだるのもやむなしかと、わたしは思います。
小林賢太郎氏の「ユダヤ人虐殺」発言は、
なぜ露見したのかとも思います。
コント自体は1998年でだいぶむかしです。
マイナーなねたのようですし、
小山田圭吾のいじめ自慢のように
繰り返し話題になっていたことでもないです。
世の中にはたくさん人がいます。
小林賢太郎氏の問題発言を
だれかしら知っている人がいて、
告発することはあるだろうとは思います。
SWCが小林賢太郎の発言を知ったのは
「日本のメディアによると」としています。
実はSWCは1998年に発売された
「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」の
原典を参照した可能性もあります。
近年の日本は麻生太郎の
「ナチスの手口に学べ」発言やら、
欅坂46の衣装のことやら、
図書館にある『アンネの日記』を破いた
事件やらで、不穏続きです。
これらの事件はSWCも把握して
非難声明を出しているものです。
SWCはこのあとも日本の動向を
マークし続けていたことは考えられます。
そうした日本に対する警戒の中で、
小林賢太郎の「ユダヤ人虐殺ごっこ」発言を、
SWCは見つけた可能性もあります。