6月29日に毎日新聞が選挙情勢の
報道をしていました。
それを「みらい選挙プロジェクト」の
三春充希氏が集約したデータを、
7月3日エントリでご紹介しました。
「東京都議会議員選挙 情勢報道集約」
これをもとに選挙の情勢報道は、
どの程度反映されるかを調べた
エントリがあるのでご紹介します。
「選挙情勢報道は当たるのか? 〜都議選2021を例に〜」
この調査では情勢報道の状況を
次のA-E判定の5ランクで示しています。
(これは三春充希氏の情勢報道集約で
使われているSとA-Fのランクとは別物です。)
A判定:安全圏。情勢報道で定員内に入っていて、
かつ三春氏による分類で「B+」以上の情勢表現が使われている候補。
B判定:当選圏。A判定ではないが、情勢報道で定員内に入った候補。
C判定:可能圏。同じ選挙区のB判定の候補と
同一の情勢表現が使われているが、定員外の候補。
D判定:努力圏。情勢報道で名前は挙がったものの定員外で、C判定でもない候補。
E判定:情勢報道で名前自体が挙がらなかった候補。
情勢報道そのままの状況で選挙になると、
当選するのはA判定とB判定になります。
情勢報道における各政党の候補者の
判定のうちわけは次のようになります。
都議選2021候補者を情勢報道で5段階判定した結果
実際に当選した候補者の、情勢報道時の
判定は次のようになりました。
都議選2021の情勢報道による判定別当選者数
各判定の当選率は次のようになります。
A判定:45候補のうち、36候補が当選(当選率80%)
B判定:82候補のうち、62候補が当選(当選率76%)
C判定:26候補のうち、15候補が当選(当選率58%)
D判定:55候補のうち、14候補が当選(当選率25%)
E判定:63候補のうち、0候補が当選(当選率0%)
情勢報道の時点での判定のランクが
高いほど、やはり当選率が高いです。
情勢報道でA判定が出るということは、
それだけ有利な状況にいるし、
D判定やE判定が出るのは不利な状況に
いることは、たしかということです。
それでもA判定で落選者が20%もいたことや、
D判定で当選者が25%もいたというのは、
決して無視できない数だと思います。
A判定でもまだ安心はできないし、
D判定でもまだあきらめるのは早いことを、
じゅうぶんしめしていると言えます。
2021年の都京都議会選挙は、情勢報道が
出たのは6月29日で、投開票は7月4日です。
わずか5日のあいだに、これだけ情勢が
変化したことになります。
選挙は最後の1日まで、逆転はありえる
ということであり、最後の瞬間まで
決して気を抜いても、あきらめても
ならないことになります。
選挙にかかわったことがあるかたなら、
このあたりはだれでも
実感していることだと思います。
それをデータであらためて
示したことになるでしょう。
追記:
毎日新聞の情勢報道の発表の日が
違っていたので直しました。
付記:
選挙の情勢報道はその時点での
中間の状況をしめしているものです。
事前の「予想」ではないということです。
中間状態なのでその後の関係者の
努力しだいで変化させることができるし、
実際に変化するということです。
よって情勢報道と実際の選挙結果に
差がある場合、それは「予想が外れた」のではなく、
「選挙の関係者が主体的に
情勢を変えた」ことになります。