2021年11月02日

toujyouka016.jpg 夫婦同姓の強制・合憲に不信任が多かった

10月31日は最高裁判所裁判官の
国民審査も行なわれました。
ここで地味ながらも重要な結果があります。

選択的夫婦別姓を認めない現行民法を
合憲とした裁判官4人は、不信任の「×」が
ついた割合が少し高かったことです。

「夫婦別姓認めぬ民法 「合憲」4裁判官、罷免要求突出 国民審査」
(はてなブックマーク)

 


6月の決定で「合憲」の多数意見に
加わったのは、深山卓也、林道晴、
岡村和美、長嶺安政の4氏(告示順)。

罷免を求める票は、深山氏の449万554票
(罷免率7・85%)が最多。
林氏441万5123票(同7・72%)、
岡村氏416万9205票(同7・29%)、
長嶺氏415万7731票(同7・27%)と続いた。
「違憲」と述べた宇賀克也、草野耕一、
三浦守の3氏の罷免率は6・88〜6・71%。
7月以降に就任したため判断に加わらなかった
岡正晶、堺徹、渡辺恵理子、安浪亮介の
4氏は6・24〜5・96%と、三つの層に分かれた。

合憲とした4氏と他の7氏には
0・5〜2ポイント程度の差が出た。

夫婦同姓の強制を合憲とした
裁判官の不信任の割合は7%台です。
判断に加わらなかった4名の
裁判官より1-2ポイント高くなっています。


裁判官が罷免されるには不信任の割合が
50%以上になる必要があります。
それゆえ1-2ポイントほど
増えて7%台になった程度では、
まったく影響ないレベルではあります。

それでも夫婦同姓の強制を合憲とする
判決に異議があるという意思表示が
眼に見える程度に現れたことになります。

特定の裁判で不信任の割合に差が出る
というのは、国民審査の歴史の中では
異例のこととなりました。


これはネットで最高裁判所裁判官の
国民審査への参加を呼びかける声が
広められたことが大きいようです。

10月27日エントリでご紹介した
NHKのサイトのような必要な情報も提示され、
ネットで拡散されることにもなりました。

「最高裁判所裁判官・国民審査の資料」


2015年の大法廷回付で、選択的夫婦別姓を
認めない現行民法に合憲判決が出ましたが、
そのあとの2017年の国民審査では、
裁判官ごとの不信任の割合に
目立つ差はなかったのでした。

大法廷は15年の判決で、夫婦別姓を認めない
規定に初めて「合憲」判断を示したが、
その後の17年に実施された前回審査では、
これほど罷免率に差は出なかった。

このときは、国民審査への参加を呼びかける
動きは、選択的夫婦別姓問題の関係者からも
取り立ててなかったです。
またNHKのサイトのような必要な情報も
出回っていなかったです。


今回2021年の国民審査のときは、
やはり2度の夫婦同姓の強制の合憲判決が
それだけ問題視されたことと、
選択的夫婦別姓問題に対する関心が
ずっと高くなったことがあると思います。

このあたりは10月31日エントリで
お話した通りだと思います。

「夫婦同姓の強制・2度の合憲が問題視された?」


posted by たんぽぽ at 23:07 | Comment(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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