最高裁判所裁判官の国民審査で、
選択的夫婦別姓を認めない現行民法を
合憲とした裁判官の不信任の割合が
少し高かったことについての続き。
「夫婦別姓認めぬ民法 「合憲」4裁判官、罷免要求突出 国民審査」
(はてなブックマーク)
実は、夫婦同姓の強制を違憲とする
裁判官の不信任の割合も、判断に加わらない
裁判官よりいくぶん高くなっています。
罷免を求める票は、深山氏の449万554票
(罷免率7・85%)が最多。
林氏441万5123票(同7・72%)、
岡村氏416万9205票(同7・29%)、
長嶺氏415万7731票(同7・27%)と続いた。
「違憲」と述べた宇賀克也、草野耕一、
三浦守の3氏の罷免率は6・88〜6・71%。
7月以降に就任したため判断に加わらなかった
岡正晶、堺徹、渡辺恵理子、安浪亮介の
4氏は6・24〜5・96%と、三つの層に分かれた。
「違憲」とした裁判官の不信任の
割合は6%台の後半です。
判断に加わらない裁判官より
0.5-0.8ポイント程度高いです。
それでも「合憲」とした裁判官の
不信任の割合は7%台ですから、
これにはおよばなかったということです。
「違憲」の裁判官に、不信任の割合が
やや高くなったのは、選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)たちが、国民審査への
参加を呼びかけたからだと思います。
審査を巡っては、選択的夫婦別姓制度の
導入を求める市民団体などが、
「合憲」の4氏に×印を付けるよう、
SNS(ネット交流サービス)などで積極的に呼び掛けた。
一方、夫婦別姓に反対する人たちが
「違憲」とした裁判官に×印を
付けるよう呼び掛ける投稿もあった。
推進派の市民団体などが、ネットの
公開の場で国民審査への参加を
呼びかけるのですから、反対派(非共存派)の
眼にも入ることになります。
彼ら反対派(非共存派)たちは
対抗の必要性を感じて、「違憲」の裁判官に
「×」をつけようと呼びかけるのも
必然的ではあると思います。
それでも「違憲」の裁判官が不信任に
なった割合は、「合憲」の裁判官の
それより低かったのでした。
数の力でものを言わせることが
得意な彼ら反対派(非共存派)たちも、
厳正に管理された国民審査では、
その力をじゅうぶん発揮できない
ということかもしれないです。
(たとえば、国民審査ではひとりで
複数回投票して大人数に見せるような
ことができない。)
自分の生活と尊厳がかかっている
選択的夫婦別姓の実現を求める人たちの
ほうがモチベーションが高いことも
あるかもしれないです。
反対派(非共存派)にとっては
しょせん自分の生活と無関係な
イデオロギーなので、モチベーションは
たいしたことないということです。
あるいは、選択的夫婦別姓の実現を
求める人たちが、それだけ多数に
なっていることも考えられます。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
最近の世論調査が示すように
やはり少数ということが
ここで現れたということです。