11月2日の朝日新聞に、共産党からの
コメントも出ています。
今回はこれを見ていきたいと思います。
「野党誤算 振るわぬ共闘 志位氏は継続方針示す」
共産党の志位和夫委員長は、
野党共闘は一定の成果があったとしつつも
全体としては成果が出なくて
失敗に終わったとしています。
このあたりの認識は、立憲民主党や
ほかの野党共闘関係者の見解と
ほぼ同じだろうと思います。
「大変、残念な結果。懸命の奮闘を
してもらったが、結果に結び付かなかったのは
我が党の力不足によるもの」。
志位和夫委員長は1日、党本部のでの会見で
悔しさをにじませた。
野党共闘がじゅうぶんな成果を
あげられなかった原因として、
共産党は「限定的な閣外協力」の理解が
有権者に浸透しなかったことを挙げています。
党関係者は「『限定的な閣外協力』は
有権者にも分かりにくい。
立憲との合意も9月末で、中身を説明して
浸透させるうえで時間もなかった」と語った。
「限定的な閣外協力」とは、
立憲民主党が政権を取った場合でも、
共産党は政権には参加せず、
共産党も賛成している共通政策の実現に
協力するにとどめるというものです。
「野党の政権構想「限定的閣外協力」ってどういうこと? 自公連立とどう違う?<衆院選 Q&A> 」
Q 立民と共産の「限定的な閣外協力」は。
A 立民と共産は9月、れいわ新選組、
社民を加えた野党4党で「安全保障関連法の
違憲部分の廃止」や「原発のない
脱炭素社会の追求」など20項目の共通政策を
衆院選で掲げて共闘する方針を確認しました。
立民は、これらの政策を実現する範囲でのみ
共産と協力する姿勢を明確にするため、
「限定的」という文言を使っています。
Q どんな背景があるのですか。
A 立民は、最大の後ろ盾で共産との共闘に
拒否感を示す連合の反発を和らげつつ、
政権構想で事前の合意を求める
共産との間で妥協点を探りました。
その結果、両党は共産側からの入閣や
法案の事前審査は行わないことを確認。
立民の枝野幸男代表は「日米同盟や
天皇制などの(見解の)違いは
私の政権には持ち込まない」と説明しています。
共産党が「限定的な閣外協力」に
とどめたのは、共産党に強い拒絶反応を
示す連合に配慮したことがあります。
また日米同盟や天皇制など、
共産党と立憲民主党とで、政策や方針の
異なる課題があることもあります。
「限定的な閣外協力」というのは、
共産党と連合の双方の立場に
配慮したバランスを取った
関係であるとは言えるでしょう。
この「限定的な閣外協力」は、
共産党自身も認めていますが、
有権者サイドから見るとわかりにくい、
というところはあると思います。
政権に参加せず野党でいるのに、
与党に協力するという、野党とも与党とも
つかない立ち位置とはいったいなんぞやと
思う有権者もいると思います。
「限定的」というのも具体的に
どの程度まで協力するのかという
問題が出てくると思います。
そのあたりをもっとはっきりさせる
必要も出てくることだと思います。
また「限定的な閣外協力」と
銘打ったにもかかわらず、
連合は共産党との連携に反発をしめしました。
「立民と共産の「限定的な閣外協力」に連合が反発」
さらに「立憲共産党」という揶揄が
しめすように、与党サイドからも、
「これで立憲民主党も共産主義を
目指すようになった」という
印象操作をされることになりました。
「限定的な閣外協力」が内外から
理解されず、「共産党への接近」だけが
強調されて反発や攻撃の材料となったことは、
野党共闘が失敗した原因の
ひとつだったと思います。