2007年07月19日

toujyouka016.jpg マスコミ学会(2)

7月17日エントリでお話した、マスコミュニケーション学会の、
「『バックラッシュ』はどのように起きるか」の講演レポートですが、
バックラッシュ台頭の原因として、(1)インターネットの登場、
(2)保守系団体の組織化、活発化、(3)フェミニズムのプレゼンス能力の低下、
(4)新しい文化に対する抵抗、を挙げています。
「「バックラッシュ」についてマスコミ学会で喋ったこと。」
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20070623/p1

これらは、やはりそうなのかと、わたしも思いますし、
これをご覧のかたの多くも、納得できるのではないかと思います。

 
(2)によると、運動の求心力を上げるために、バックラッシュたちは、
意図的に批判の重心を、夫婦別姓に移したところもあるそうです。
どうやら、わたしたちは、不幸にして、割を食ってしまったみたいです。

彼ら保守系団体による、バックラッシュ運動が、
さかんになったのは、2002年ごろからだとあります。
このあたりは、わたしも、多少実感できるところがありまして、
そういえば、これより前と後とで、選択別姓反対派に、
保守イデオロギーの影響が強くなるという、変化があったように思います。

彼らバックラッシュ系の運動は、ネットを活用していましたが、
サイトがあっても、あまり手を入れていないとか、
会の連絡にはFAXを使っているなど、ネットをじゅうぶん
使いこなしているとは、言えないみたいです。

こうして見てくると、これらに先駆けて、2000年ごろから、
インターネットを中心にして、政治活動をはじめた
「氏名を大切にする市民の会」が、いかに画期的だったかが、
あらためてうかがうことができそうです。
(これは、道具がどれだけすぐれていても、
使う人間がだめなら失敗する、という見本でもありますが。)


(4)について、書かれている段落を見てみると、
「ジェンダーフリー」は、フェミニズムや女性学の中でも、
すみのほうに追いやられていたと、あとのほうにあります。
「ジェンダーフリー」に関わりたがらない研究者が多い、
というのは、わたしも、散発的に聞いてはいたのでした。

それで、バッシングがあっても、自分たちが叩かれたと思わなかったのか、
専門家たちは、あまりまともに反論しなかったようです。
これも、バックラッシュ蔓延の、原因のひとつになったみたいです。
一般にとんでもない言説が現れたら、ばかばかしいと思っても、
専門家か、専門知識のある人が、ていねいに反論することがたいせつです。
かならず拡散を防げるとはかぎらないですが、反論をおこたれば、
そのとんでも説が広まる可能性は、高くなってしまいます。

立教大学のジェンダー・フォーラムでも、最近になって研究者が、
「ジェンダーフリー」という語を、積極的に使うと言い出しています。
このあたりも、いままでの放置に対する、反省もあるのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 23:13 | Comment(0) | TrackBack(6) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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