石原慎太郎についての、わたしの
個人的な思い出をお話します。
その中でとりわけわたしにとって
印象が強いのが、「文明がもたらした
もっとも悪しき有害なものは
「ババア」」という発言です。
「ババア発言 発言の内容」
「これは僕がいってるんじゃなくて、
松井孝典がいってるんだけど、
“文明がもたらしたもっとも悪しき
有害なものは「ババア」”なんだそうだ。
“女性が生殖能力を失っても
生きているってのは無駄で罪です”って。
この発言の出典は『週刊女性』
2001年11月6日号「独占激白“
石原慎太郎都知事吠える!”」のようです。
かなりむかしの発言と言えます。
かかる石原慎太郎の「ババア発言」に
関しては、「おばあさん仮説」という
反証があることをしめしておきます。
人間の子どもは育てるのに
とても負担がかかります。
それゆえ出産や育児経験のある女性が
閉経後も長く生きて子育てに
協力することが、人類の生存に
有利になった、というものです。
「「人間とは何か」京大霊長類研シンポジウムレポート(前)」
(はてなブックマーク)
年長の兄弟姉妹や伯父伯母などが
協力して子育てをするのが人間の特徴と
いえるが、自らの生殖能力を失った後に
孫の面倒をみる「おばあさん」は、
協力して子育てをすることが
人間にとって生理的な行動であると
いうことを意味しているとすらいえる。
「おばあさん」の存在こそ、
人間の子育てのあり方をよく表している。
また、♀同士もよく集まって協力することが
チンプに比べて人間の大きな特徴ともいえる。
生殖能力をうしなったあとも
長く生きる「おばあさん」の存在は、
人間の生物学的にきわだった特徴です。
「文明がもたらした」わけではないです。
そして「おばあさん」がいるから、
人類は存続できたとも言えるでしょう。
「おばあさん」の存在は
無駄でも有害でもないどころか、
むしろ必要だということです。
上述のエントリでは、チンパンジーには
「おばあさん(閉経後も長生きするメス)」が、
いないことを引き合いに出しています。
チンパンジーにかぎらず、人間以外の
生物には「おばあさん」はいないです。
基本的にメス親は死ぬまで、「現役」で
子を産み続けるということです。
「おばあさん」がいることは、
人間だけの特徴であり、きわめて
「人間らしい」ことになります。