妻が旧姓に戻すと言いだしたら困る」
と言った、安倍晋三の続き。
「妻が旧姓に戻すと困る・安倍晋三の発言」
『日本の息吹』9月号で安倍晋三前首相が選択的夫婦別姓に猛反対。いわく、「女房からいきなり『やっぱり私は元に戻します』ということが起こる」。
— 希 nozomi (@nozomi_ski) September 11, 2021
離婚しましょうということじゃないんだし、なぜそうしたいのか、妻の話を聞けよって思います。いまだに頭の中が戦前の家制度のままなんだなあ…。 pic.twitter.com/Q4gxrIJiPR
このようなことを言う安倍晋三は、
望まない改姓をさせられる女性が多いこと、
そして現行の夫婦同姓の強制があるから、
妻に意に反した改姓を押し付けられることを、
認めたことになります。
別姓問題で見落とされているのは、
「別姓法案」が成立すると、これから
結婚する人ばかりか、すでに結婚されている夫婦も、
1年か2年の経過期間にもう一度
同姓のままでいいか、別姓にするのかを
選び直すことができるようになるんです。
例えば、もし私の両親が生きていれば
両親も含めて1~2年のうちに選び直す。
女房からいきなり「やっぱり
私は元に戻します」、ということが起こる。
これは相当社会や家庭に遠心力を
働かせていくのではないかと思います。
安倍晋三は「これは相当社会や家庭に
遠心力を働かせていくのではないかと
思います」とも言っています。
妻に望まない改姓をさせている男性は
日本社会の広範におよんでいる、
という認識なのでしょう。
改めて読んでも「相当遠心力を働かせていくのではないか」ってなんやねんって感じですね…😅😅😅😅
— あゆみ (@run_and_walk_) March 18, 2022
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)の
定番の主張の中に「夫婦同姓で一体感が
得られる」や、「妻は望んで改姓した」
というものがありました。
くだんの安倍晋三の発言は、
こうした「一体感」や「望んで改姓」は、
夫婦同姓の強制を正当化するための
「虚構」にすぎないことを、
認めたことになるでしょう。
このあたりは「たんぽぽの礼拝堂」ブログでも、
お話したことがあることです。
「夫婦同姓の強制・女性の犠牲を認めた反対派」
これは「自分の妻は望まない改姓を
させられている」ことを、
彼ら反対派(非共存派)の男性は
認めたことになります。
妻に望まない改姓をさせることが
可能なのは、現行民法が夫婦同姓を
強制しているから、ということも、
かかる反対派(非共存派)は、
認めたことになります。
かくして反対派(非共存派)たちは、
「現在の夫婦同姓の強制は
女性の犠牲の上に成り立っている」という
現実を受け入れたことになるでしょう。
さらに言えば、現在の夫婦同姓の強制は
ジェンダー差別だということを、
安倍晋三の発言によって、反対派(非共存派)は
みずからしめしたことにもなります。
これまでの選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)は、「夫婦同姓の
強制はジェンダー差別」ということは、
絶対に認めたくないことでした。
「現在の民法は男女どちらの苗字でも
選べるからジェンダー平等だ」とか言って、
その差別性を隠そうとしたのでした。
「妻が旧姓に戻すと困る」発言は
ジェンダー差別性を隠さないという点で、
「正直」になったと思います。