5月10日エントリの続き。
内閣府の「家族の法制に関する
世論調査」のうち選択的夫婦別姓の
是非を訊く設問の結果に関しても、
今回はこれまでにない特徴があります。
「家族の法制に関する世論調査」
「2.婚姻した場合の名字・姓に対する考え方」
それは前回調査とくらべて、「反対」が
わずかながらですが減っていることです。
今回は「賛成」が減ったにもかかわらず、
「反対」が増えなかったのでした。
「家族の法制に関する世論調査」
2018年
2022年
これまでは「賛成」と「反対」の
変動は連動していました。
「賛成」が減ったときは
同時に「反対」が増えています。
2018年までは、「旧姓使用」と
「無回答」を合わせると(「賛成」と
「反対」以外)28%程度で、見事にほぼ一定に
なっていることがわかります。
「夫婦別姓・世論調査の歴史」
1996年: 賛成 33%、反対 40%
2001年: 賛成 42%、反対 30%
2007年: 賛成 37%、反対 35%
2012年: 賛成 36%、反対 36%
2018年: 賛成 43%、反対 29%
2022年: 賛成 29%、反対 27%
2022年にかぎり「旧姓使用」と
「無回答」の合計が44%に増えています。
4年前の「賛成」だったかたは、
「旧姓使用」に移って、「反対」には
移らなかったと考えることができます。
今回2022年は、選択的夫婦別姓に対する
世論の理解が大きく後退するという
お粗末な事態となったのでした。
それでもふたたび反対に行くような、
「回帰」はしなかったということです。
選択的夫婦別姓に反対の意見は
もはや説得力がないという認識は、
まがりなりにも広まったのでしょう。
これが今回の世論調査の結果に関する
数少ない「成果」と言えます。