自民党では選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)がきわめて強い力を
持っていて、推進派の動きがあると
猛烈な抵抗をして、選択的夫婦別姓の
実現を阻止することをお話しました。
「「私たちの声はボディブローのように効いている」──選択的夫婦別姓の法制化を目指す井田奈穂。」
──一方、2020年11月に行われた意識調査では
7割の人が選択的夫婦別姓に賛成しています。
一般的に考えて、それほどの支持者がいるにも
関わらず法制化されない本当の理由はなんですか?
岸田首相は自民党「選択的夫婦別氏制度を
早期に実現する議員連盟」の
呼びかけ人でもありますし、
河野太郎さん、野田聖子さんとともに、
選択的夫婦別姓推進議連の役員です。
昨年の総裁選の時に「公約にしますか」と
聞いたところ、「どちらとも言えない」と
お茶を濁す回答でした。
総裁になるためには、反対派議員の支持層を
無視できないということで、
公約では「改姓の不利益がある人の
不都合をなくしていきます」と
トーンダウンしてしまいました。
ここで注意したいのは、「自民党にいくら
推進派議員がいても、反対派(非共存派)の
抵抗の前にまったく無力」と
認識することが重要ということです。
「自民党にも推進派はいて
尽力しているのだし、彼らを応援すれば
いつか選択的夫婦別姓は実現する」などと、
ねぎらったり期待する論調に
してはならないということです。
自民党の推進派も期待できると
思ったりねぎらったりしていると、
その期待やねぎらいはかならず裏切られます。
いままでずっと裏切られ続けたし、
これからもきっとそうでしょう。
自民党の推進派議員たちにできることは、
反対派(非共存派)の猛烈な
抵抗の前に、「小田原評定」を
続けることだと思います。
「小田原評定」でも話題になっていれば、
選択的夫婦別姓に対する一定の関心を
世論に持たせ続けることができます。
そうなればまがりなりにも
推進派に有利なのが最近の傾向です。
選択的夫婦別姓の情報が広まるので、
世論一般が適切な認識を持つ
機会が増えるからです。
「小田原評定」を続けさせるという
意味で、自民党の推進派議員たちを
応援する意義があることになります。