2022年06月25日

toujyouka016.jpg 安心するためではない選挙ブースト

選挙といえば、すっかりおなじみになった、
「みらい選挙プロジェクト」です。

その三春充希氏が、参院選の公示に
先立って、世論についての記事を書いています。
維新、立憲民主、れいわの支持に
ついても分析があります。
一通り眼を通しておくとよいと思います。

「「第1回 「今」に至る世論」 

 

この記事の最後のほうに、
選挙ブーストについての考察があります。
「選挙ブースト」とは選挙の時期に
野党の支持率が急上昇する現象です。


メディア報道はふだんは政権が中心です、
野党が話題になることはあまりないです。
それゆえ世論一般が野党の情報に
触れる機会が少なく、野党の支持率も
低い水準で推移することになります。

選挙になると、野党の報道が一気に増えます。
これによって野党への関心を高める
有権者が増えることになり、
野党の支持率はにわかに高くなります。

この選挙前の野党の支持率の急上昇を、
「選挙ブースト」と言います。
選挙に関心があっていつも情報を
追っているかたなら、経験的に
知っていることだと思います。

この「選挙ブースト」の存在を、
三春充希氏がはっきり指摘して、
広く認識されるようになったのでした。


「選挙ブースト」がよく知られるように
なったことで、「選挙になれば支持率が
上がるからだいじょうぶ」などと、
安心する論調が一部にできたようです。

やはりというか、こういう困った
考えかたをする人たちは、
一定の割合で出てくるもののようです。

先に、国政選挙の公示から投開票に
前後して政党支持率が急上昇する
現象があることに触れました。
この選挙ブーストは2017年に提唱して以来、
「選挙になれば支持率が上がるから大丈夫だ」
などと楽観的に受け取られて
しまった面があるようです。

「選挙ブースト」の存在を指摘することは、
「ふだんは支持率が低迷しても
あきらめたりせず、支持を確保するために
研鑽を続けよ」と、とくに野党支持層に
言うためのものだと思います。

低支持率が続くと心が折れてくるので、
それをはげますため、ということです。
安心するためのものではないはずです。


どんな選挙のときも「選挙ブースト」は、
同じように起きるとはかぎらないことです。

立憲民主党の例を見ると、
2017年衆院選、2019年参院選、
2021年衆院選と過去3回のいずれの選挙も
選挙ブーストが起きてはいます。


それでも2017年は立憲民主党の
支持率は14%近くになりましたが、
2019年と2021年は10%程度に
とどまっています。

あとの2回は最初の1回より、
あきらかに「選挙ブースト」の規模が
小さいということです。


「選挙ブースト」は支持率の
上昇の大きさだけではないです。
政党によって起きたり起きなかったり、
することもあります。

けれども選挙ブーストはどの党でも
必ず起こるとは限りません。
たとえば図4では第25回参院選(2019年)の
国民民主党や、第49回衆院選(2021年)の
共産党には選挙ブーストが見られません。
また、立憲と維新では選挙ブーストの
大きさが異なります。

選挙が近づくと無党派層が減少することは
確かですが、その減少した分が
どこに行くのかは決まってはいないのです。


大きな「選挙ブースト」を起こすには
どうしたらよいか、それはふだんから
研鑽を続けて支持を得る努力を
絶やさないことになるでしょう。

「天はみずから助けるものを助ける」です。
「どうせ選挙ブーストがあるから」と、
慢心していると助からなくなります。

posted by たんぽぽ at 13:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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