2022年06月27日

toujyouka016.jpg 維新の支持回復とマスコミの体質

6月25日エントリの続き。

三春充希氏の「「今」に至る世論」」ですが、
維新が支持を回復した原因についての
分析を簡単に述べています。

「第1回 「今」に至る世論」

 
コロナ対策をめぐって維新が存分に
利用したものこそ、この大阪の地盤でした。
知事と市長をともにおさえ、
2019年の府議選で単独過半数を占めていた維新は、
党として掲げたコロナ対策をただちに大阪で実行し、
それをマスコミに報道させるという
サイクルを作ることができたのです。

このことは、たとえ愚かな政策でさえ、
実行に移して報じられれば
支持されることを示唆しているといえます。
人口あたりの新型コロナの死者数は、
国内では大阪が最悪だという統計的事実がありながら、
維新は地元での支持を伸ばしました。
このことに関しては、政治を検証すべき
マスコミがいかに堕落しているか
ということにも一言、触れざるを得ないでしょう。

維新は、大阪で市長、府知事をともにおさえ、
大阪府議会で単独過半数を確保しました。

地元大阪では与党となったことで、
自分たちがかかげたコロナ対策を
すぐに大阪で実行できたこと、
そしてそれをマスコミに報道させることが
できたことを指摘しています。


つぎがポイントですが、「たとえ愚かな
政策でさえ、実行に移して報じられれば
支持される」という指摘です。

維新のコロナ対策はおそまつな
しろものが多いですが、それでも維新は
地元大阪で評価され支持されたのでした。

このあたりは大阪やその周辺に
お住まいのかたでしたら、つねづね
感じ取っていることかもしれないです。

維新の政策なんてたいていは
愚劣なしろものなのに、地元のメディアが
やたら維新を持ち上げてきます。
それゆえ大阪の有権者も維新の
「政策実行力」を信じて支持する人が
多くなる、ということです。


三春充希氏の記事では、「政治を検証すべき
マスコミがいかに堕落しているか
ということにも一言、触れざるを得ない」
とだけ書いています。

この記事は「維新がなにをしたか」を
語る場所であって、「マスコミがなにを
したか」を語る場所ではないので、
マスコミへの言及が少ないのは、
残念なことではあります。


それでも維新を持ち上げる
マスコミの体質は重要な要素なので、
考察は必要なところだと思います。

なぜマスコミは維新を持ち上げるのか、
コイズミ以来の「カイカク」、
「ポピュリズム」に彼らはいまだに
夢を見ているのでしょうか?

それとももっと即物的な理由で、
マスコミは話題性のある維新を
持ち上げることで読者や視聴率を
得ているからでしょうか?

「大阪の住民投票結果から見えるもの」

在阪テレビマスコミは、政治家としての
橋下氏を生み出した母体のようなもので、
基本的に橋下氏に対して批判的な態度は取れません。
実際、開票を速報をしていた関西テレビは、
否決の結果が出た後に、何故か延々と
橋下氏の政治家としての軌跡を流し続け、
橋下氏が敗北宣言をした記者会見の
開始直前に速報番組が終了してしまい、
通常のバラエティー番組に移行してしまいました


彼らマスコミは自民党政権には
不満だけど、立憲民主党のような
正統なオルタナティブが政権をとるのも
歓迎でないのかもしれないです。

それで反自民の支持を流せる政治勢力が
ほかにあると、マスコミはそちらへ支持を
流そうとするのかもしれないです。
その支持を流す先が維新ということです。

「橋下を慰留するマスコミ」

わたしが想像するのは、マスコミ各社は
正統的な政治改革をじつは歓迎しないから
ではないか、ということがあります。

それで「カイカク」を標榜する勢力や
政治家が現れると、それを必要以上に
もてはやすことで、国民の関心をそちらへ
惹き付けて、正統的な政治改革から
支持をそらそうとするのではないかと思います。

そうだとすると、10年前にコイズミを
もてはやしたのも、この理由と
いうことになると思います。


日本のマスコミは自民党政権を
こころよしとはしていなさそうに思うのですが、
さりとて正統的な政治改革を望んでも
いないのではないかと思います。
彼らもその程度には「既得権益者」
ということだと思います。

そういえば、2009年8月に民主党が
政権を取ったすぐあと、各新聞社はこぞって
「民主党政権は豹変せよ」なんて
社説に書いていたのでした。

「 鳩山由紀夫に「君子豹変」を推奨した各紙社説を批判する毎日新聞社説に関するメモ」



付記1:

さらに言えば、愚かな政策ばかり
実行しているのに、マスコミ報道を信じて
維新を評価したり支持したりする
有権者のリテラシーも問題に
するところだろうと思います。

「国民は自分たちのレベルに
ふさわしい政治家を持つ」、
「国民は自分たちのレベルに
ふさわしいマスコミ」を持つ」です。



付記2:

いちばん最初にわたしは
「維新が支持を回復した」と書いています。
「支持を伸ばした」ではないです。

三春充希氏の「「今」に至る世論」」でも
指摘がありますが、2021年の維新は
2014年の水準に戻ったからです。
だから「回復した」です。

posted by たんぽぽ at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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