三春充希氏の参院選に寄せるコラムの
第二回目は、野党共闘の問題です。
「第2回 野党共闘はどこへ」
記事の後半では野党の最大の支持基盤である
連合について長い記述があります。
第2回 野党共闘はどこへhttps://t.co/f7zGjnokEj
— 三春充希(はる)⭐第26回参院選情報部 (@miraisyakai) June 27, 2022
今回は多くの選挙区で野党の競合がおきました。共闘はどこへ行ったのでしょうか。これで終わりなのでしょうか。そして野党はこの選挙をどう「闘」えばよいでしょうか。立憲、共産、そして連合――。様々な面から、いま野党が活路を開く術を探ります。
ここでは前半の野党共闘の分析に
ついて眺めておくことにします。
野党共闘による候補者の一本化は、
三春充希氏は効果があったとしています。
それは、2017年の衆院選と
2021年の衆院選の結果を比較して、
1. 野党共闘の選挙区では、
2021年は2017年とくらべて
野党の得票が伸びているところが多い。
条件に該当した116の選挙区をみると、
野党候補のリードが増加したのは87で、
減少したのは29でした。
候補者を一本化して有利になった選挙区は、
不利になった選挙区の3倍もあったのです。
一本化は都市部の票をまとめる戦術として、
特に有効性を発揮したといえるでしょう。
2. 野党共闘のない従来式の候補者の
立てかたをした選挙区では、
野党の得票が後退したところが多い。
この条件に該当した選挙区は58ありますが、
野党のリードが増加したのはわずか14にすぎず、
減少したのは44にのぼる結果でした。
ここから浮かび上がってくるのは、
第48回衆院選(2017年)から
第49回衆院選(2021年)にかけて
野党が勢いを失っていることです。
という事実を指摘します。
1.より野党共闘による候補者の一本化は
成果があがっていると結論できます。
2. は立憲民主党の支持率、
集票能力を示すと考えられます。
候補者の立てかたの方針が2017年と
2021年とで同様なので、野党共闘の影響が
ないと考えられるからです。
ここでの得票率が後退していることから、
2021年で立憲民主党が議席を減らしたのは、
そもそもの党勢が後退したから、
ということになります。
立憲民主党は、2021年における
党勢の後退を野党共闘である程度
埋め合わせていた、それが2021年の
選挙結果ということです。
これはまた、立憲民主党の結党直後に
行われた第48回衆院選でいかに
強い「風」が吹いていたか、そしてそれを
失ったことがいかに大きく影響したのか
ということもできるでしょう。
候補者の一本化は、その立憲民主党の
勢いの後退を多くの選挙区で
補っていたというわけです。
なぜ立憲民主党は4年間で党勢が
後退したのか、それは結党のころの
期待を失なったからでしょう。
第49回衆院選で立憲民主党が議席を減らしたのは
このようにしてきちんと説明されるのであり、
野党共闘で減らしたのではありません。
また一部で言われているように、
共産党と協力したことで支持率が低下した
という事実もありません。
直視すべきなのは、立憲民主党が結党の頃の
期待を失っていったことなのです。
なぜ結党のころの期待を立憲民主党は
失なったのか、それは三春充希氏の記事でも、
一通り考察がなされています。
それを読まなくても、これをご覧のあなたは、
きっとよくわかっていると思います。
かねてからあなたが、立憲民主党に対して
つねづね感じていることだと思います。
付記:
このお話は、わたしのブログの12月1日
エントリでご紹介した、三春充希氏の
ノートでも考察されています。
「野党共闘・結果の分析と今後の課題」
「野党共闘は失敗か?」
敗北した選挙だからこそ、その敗因を
適切に分析する必要があります。
適切な分析こそが、その後の対策を
適切なものにするからです。