「コイズミ人気」で、なんとか巻き返そうとしています。
つぎの記事によると、その様子は、推して知るべしのようです。
「参院選:自民は小泉氏、民主は長妻氏 頼みの顔で終盤へ」
つぎのようなかたも、しっかりいらっしゃるのでして、
コイズミ人気はまだまだ健在と、いささか恐ろしいものを感じましたよ。
あるいは、これを見て、「典型的なB層」と思ったかたもいると思います。
演説を聞いた主婦(39)は「この人の言うことを信じていれば
『何とかなるかな』と思えてくる。逆風の自民を盛り返す効果があったのでは」
と興奮気味に話した。
ときどき耳にするけれど、その「B層」というのはなんだ?と、
お思いのかたも、まだまだ、いらっしゃるでしょうか?
これは、郵政民営化の合意のために、コイズミと竹中が、
スリード社に作らせた企画書に由来します。
「「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」(PDF)
「竹中平蔵の「広報疑惑」を暴く」
くわしくは、PDFファイルのはじめのところを、見ていただくことにして、
情報の多寡(縦軸)と、構造改革の賛否(横軸)とで、4つの領域にわけて、
「A層」から「C層」までを、つぎのように規定しています。
A層(右上):なんらかのかたちで、民営化は必要と考えているが、
いままでの失敗から悲観的
B層(右下):具体的なことはわからず、コイズミのキャラを支持
C層(左上):抵抗勢力
(左下の領域は、いわゆる「負け組み」(コイズミカイカクの被害者)で、
チャートには書かれていないですが、「D層」としていいだろうと思います。)

縦軸に「IQ」などと書いているので、「B層」は「あたまが悪い人」、
「政治にうとい人」のように、しばしば言われることがあります。
実際にあてはまるのは、多数派の言説や、メディアの言うこと
(ポピュリズム)に、流されやすい人だろうと思います。
捏造発覚まで「あるある」を信じていたのも、これに当たるでしょう。
たとえば、いまが太平洋戦争中だったとして、
「あなたの息子を、お国のために捧げろ」と、言われたとしましょう。
「B層」は、本気で心から万歳三唱で、息子を戦場に送るでしょう。
そして戦後、民主主義がやってくると、「自分は被害者だ」と、
今度もまた本気で、うちひしがれるでしょう。
このとき、「自分の不見識から戦争加害者になった」とは、
ぜんぜん思わないし、また思いたくもないのだろうと思います。
スリード社の企画書は、「B層にアプローチしたメディア戦略が必要」と、
説いていますが、これはぶっちゃけた言いかたをすれば、
「わかってない人を、メディアを利用して、うまいことだませ」ですよ。
「A層」は、郵政民営化のことを、よく知っているかたたちで、
コイズミたちにとって、いちばん都合の悪い存在になります。
「C層」は、旧式の反対派ですが、コイズミは、自分の論敵を、
全部「C層」と見せかけることで、「B層」の同意を取り付けたのでした。
「B層」ということばは、愚民思想的で、使いたくないかたもいると思います。
(かくいう、わたしも、かなり遠慮して使っています。)
それでも郵政選挙で、わざわざ自分をばかにする者たちに賛同して、
決定的なカタストロフィをもたらす、というかたちで、
あからさまに政治を動かしたのはたしかですし、
こうした層の実在は、残念ながら認めざるを得ないと思います。
私が思うに日本のB層はアメリカのそれより多少はマトモだと思います。
小泉マジックが通用しにくくなってるようですし、新聞テレビに対する不平不満批判はかなり高くなってるようですから。。。
ヒトラーの「ウソも百回繰り返せば‥」ってのと似ている気がするピョンなあ。
わたしも、外国のことは、そんなにわからないけれど、
「流されやすい」というのが、日本のポピュリズムに、
特徴的なんじゃないかと思います。
(いかんせん、みんなと同じにしておけばだいじょうぶ、
という風土の社会だからね...)
「信じやすい」は、もしかすると、日本よりアメリカのほうが、
ひどいのかもしれないです。
たまごどん
こんにちは、おひさしぶりです。
ようはポピュリズムの操作で、本質的に同じだと思いますよ。
(というか、現代政治における、ポピュリズムの重要性に目を付けたの、
ヒトラー・ナチスが、いちばん最初じゃないかな...?)
ナチスの場合、「情報の封鎖」と「情報の氾濫」の両方を、
併用していたと言えるでしょう...
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/pseudo/control.html
http://www.google.co.jp/search?source=ig&hl=ja&q=B%E5%B1%A4&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
ま、それでも裏ブログの「kojitakenの日記」が1ページ目にいますから、郵政民営化から2年、「B層」という言葉を使う人は少なくなったようです。2ちゃんねるではよく見ますが、2ちゃんねるの投稿は検索エンジンではなかなか引っかかりません。
残念ながら、というか「B層」に関しては某有名ブログの記事が「古典」(笑)になってしまっているようで、いつ見てもトップか2番目にいます。
http://critic2.exblog.jp/2311417
この分析は妥当だと思いますけどね。
一部中堅ブログが唱えているような、B層戦略にはB層戦略で応じるという行き方には、私は反対です。
>2ページ目(11番目)に
あら、わたしが、押し退けちゃったのかな?(笑)
ついでながら、このエントリ、いつになくアクセス多かったですよ。
みなさん、とっても興味がおありなのねと、あらためて思ったけれど。
「B層」についての議論を、あまり見かけないのは、
良心的な人には、愚民思想的なので使いにくく、
批判の手が鈍るというのも、あるのかもしれないです。
(「2ちゃんねる」のような、遠慮のないところで
さかんに使われるのも、やはり差別的ニュアンスだからでしょう...)
コイズミ改革の信者でしたら、コイズミ批判になることですから、
やはり言わないでしょうし...
この「大衆操作」(と言えば、愚民思想的でない?)は、
本当なら、避けて通ってはならないことなんだと思いますが。
たとえば、ナチスがなにをしでかしたとか調べれば、
それなりの研究成果は、出てくるだろうとは思うけれど...
郵政選挙にからめて、議論する人がいないのは、
かなり困ったことで、異様なことでもあると思います。