団体が最近立ち上がりました。
「結婚後の旧姓使用をすすめる会」
会のサイトを見ると、2022年12月に結成、
最近SNSで情報発信をするようになり、
注目されるようになってきたようです。
#結婚後の旧姓使用をすすめる会 pic.twitter.com/S3xi7whXHE
— 結婚後の旧姓使用をすすめる会 (@kyusei_me) March 21, 2023
女性の社会進出が進み、今では25〜44歳の
女性の約8割が仕事に就いています。
しかし、結婚による「改姓」が
キャリア形成の上で大きな壁と
なっているケースが少なくありません。
結婚後も「旧姓」を通称使用できる職場は
増えていますが、その対応はまちまちであり、
通称使用を認めていない会社もあります。
令和4年(2021)3月に内閣府が
公表した世論調査では、夫婦同姓を前提に
「旧姓の通称使用の法制度を設ける」と
答えた人が最も多い42%超を占めています。
こうした国民の声を受けて、私たち
「結婚後の旧姓使用をすすめる会」は、
結婚してからも旧姓の使用を担保する
法律制定を求めています。
なぜ「旧姓使用」なのかですが、
2022年3月の内閣府の世論調査があります。
「3 調査票 家族の法制に関する世論調査」
「図12 選択的夫婦別姓制度」
この調査では、選択的夫婦別姓に
賛成が28.9%、旧姓使用が42.2%でした。
このような世論調査の結果を受けて、
旧姓使用を拡充することを
目標としたということです。
「旧姓使用」の拡充を目指すという趣旨を、
どのように考えるかという問題があります。
世論調査の結果を受けていますが、
ここで回答したのは、自分が苗字の問題に
直面している人ばかりではないです。
「他人ごと」の人もたくさんいます。
自分が旧姓使用することはないで
あろう人たちが「旧姓使用でじゅうぶん」と
言っているからという理由で
旧姓使用を推進したところで、
どれほど当事者の苗字の問題を
解決するのか、という疑問があります。
苗字の問題に直面するかたの多くは、
旧姓使用ではふじゅうぶんと考えています。
ツイッターでは「旧姓使用」の拡充という
会の活動趣旨に批判的な意見が、
たくさん寄せられています。
2019年11年に、住民票とマイナンバーカードに
旧姓併記ができるようになりました。
「住民票・マイナンバーの旧姓併記」
これをきっかけにあらたに
旧姓使用が認められるようになった
金融機関や資格・免許や契約のたぐいは
ほとんどなかったです。
「効力はたいしてない住民票の旧姓併記」
「住民票の旧姓併記・その狭い有効範囲」
「住民票の旧姓併記・その狭い有効範囲(2)」
旧姓使用を拡充する法整備を
進めたところで、旧姓使用できる場面は
ほとんど増えなくて、たいして
役に立たないのではないかと、
実効性も疑われるところです。
この「結婚後の旧姓使用をすすめる会」は、
選択的夫婦別姓に反対とか必要ないとは、
はっきり言ってはいないです。
団体の素性を疑うかたも中には
いらっしゃりますが、まったく信用できないと
決めてかかるのも、まだ早いと思います。
今後どのようなことになるか、会の動向を
しばらく注視することになりそうです。
付記:
会のサイトに記述されている、
「令和4年(2021)3月」という
内閣府の世論調査があった年月の
表記がおかしいです。
世論調査があったのは2022年です。