選択的夫婦別姓に反対する
自民党の候補者(東京都大田区議会選挙)、
なかつぼえつこの続き。
なかつぼえつこは、選択的夫婦別姓を
導入すると、日本の伝統文化が
崩壊すると言っています。
日本固有の戸籍制度の崩壊を危惧しております。婚姻してそれぞれの氏を名乗ることもできる、と例を認めてしまうとそこから崩れていってしまいます。日本は戸籍を辿れば先祖がわかります。日本の伝統文化の崩壊に繋がる選択的夫婦別氏制度には反対します。
— なかつぼえつこ(自民党公認@東京都大田区) (@nakatsuboetsuko) March 31, 2023
夫婦同姓の強制やそれを定めた
戸籍制度は「日本の伝統」だと、
なかつぼえつこは言いたいのでしょう。
夫婦同姓とそれを定める民法や戸籍は
日本の伝統などではないことは、
これまでにも何度かお話しています。
「夫婦同姓は日本の伝統?」
「日本で夫婦同姓になった起源」
夫婦同姓を強制することを明確に
民法で定めたのは1898年です。
当時の日本が欧米諸国と結んでいた
不平等条約を撤廃するために、
欧米風の法整備が必要になったからです。
そのため妻が改姓して夫の苗字を
名乗って夫婦同姓という「イエ制度」を、
欧米の家族法にならって、
日本でも導入することになったのでした。
「儒教とは何か」を読んでたら初っぱなに夫婦同姓について書かれてて、日本では明治27年まで、内務省から「妻は元の姓を名乗るべし」とされてたのを知った。夫婦同姓が明治以降なのは知ってたけど、明治27年に至るまで、むしろ積極的に「妻は元の姓」とされてたのは知らんかった。
— mipoko (@mipoko611) January 27, 2018
同姓を名乗れとされたのは明治31年(西暦1898年)。明治も随分進んでから。なんでかというと、不平等条約撤廃のために欧米列強風の法整備が急がれたかららしい。何のことはない、夫婦同姓は伝統でも何でもなく、むしろ儒教由来の同姓不婚の伝統を破って、欧米化するために作られた制度ということだ。
— mipoko (@mipoko611) January 27, 2018
明治27年まで妻は元の姓とされ、内務省から出された文言は「生家ノ氏ヲ称スル」というもの。この一文からは妻は嫁いでも生家に属するという認識が分かる。夫の姓を名乗る場合は婚家の財産を継いだ時。寡婦となり家を管理する立場になった時などでは。家というものの感覚が明治後期以降とは違う。
— mipoko (@mipoko611) January 27, 2018
夫婦同姓を民法で定める前は、
女性は結婚しても生家の苗字を名乗る、
つまり結婚改姓しないことが原則でした。
1894年まで内務省から公式に
「妻は生来の苗字を名乗る」とされました。
儒教の伝統もあって、明治の前半の
日本では「苗字は出自を表す」
という考えだったからです。
欧米諸国との不平等条約の解消のために、
夫婦同姓を定めることで、それまであった
日本の伝統を捨てたくらいでした。
明治の日本人にとって、欧米列強に
追いつくことのほうが、日本の伝統よりも
ずっと大事だったということです。
当時の日本が「脱亜入欧」で
必死だったことを考えれば、
これはすぐにわかるはずのことです。
付記:
この「夫婦同姓は日本の伝統」は、
反対派(非共存派)の意見としては
典型的で古典的でもあると思います。
それでも「日本の伝統」うんぬんを言う
反対派(非共存派)を、最近はあまり
見なくなったので、その意味では、
むしろめずらしいかもしれないです。