2023年04月20日

toujyouka016.jpg 夫婦同姓は日本の伝統ではない

4月19日エントリの続き。

選択的夫婦別姓に反対する
自民党の候補者(東京都大田区議会選挙)、
なかつぼえつこの続き。

 
なかつぼえつこは、選択的夫婦別姓を
導入すると、日本の伝統文化が
崩壊すると言っています。



夫婦同姓の強制やそれを定めた
戸籍制度は「日本の伝統」だと、
なかつぼえつこは言いたいのでしょう。


夫婦同姓とそれを定める民法や戸籍は
日本の伝統などではないことは、
これまでにも何度かお話しています。

「夫婦同姓は日本の伝統?」
「日本で夫婦同姓になった起源」

夫婦同姓を強制することを明確に
民法で定めたのは1898年です。
当時の日本が欧米諸国と結んでいた
不平等条約を撤廃するために、
欧米風の法整備が必要になったからです。

そのため妻が改姓して夫の苗字を
名乗って夫婦同姓という「イエ制度」を、
欧米の家族法にならって、
日本でも導入することになったのでした。



夫婦同姓を民法で定める前は、
女性は結婚しても生家の苗字を名乗る、
つまり結婚改姓しないことが原則でした。

1894年まで内務省から公式に
「妻は生来の苗字を名乗る」とされました。
儒教の伝統もあって、明治の前半の
日本では「苗字は出自を表す」
という考えだったからです。


欧米諸国との不平等条約の解消のために、
夫婦同姓を定めることで、それまであった
日本の伝統を捨てたくらいでした。

明治の日本人にとって、欧米列強に
追いつくことのほうが、日本の伝統よりも
ずっと大事だったということです。

当時の日本が「脱亜入欧」で
必死だったことを考えれば、
これはすぐにわかるはずのことです。



付記:

この「夫婦同姓は日本の伝統」は、
反対派(非共存派)の意見としては
典型的で古典的でもあると思います。

それでも「日本の伝統」うんぬんを言う
反対派(非共存派)を、最近はあまり
見なくなったので、その意味では、
むしろめずらしいかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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