自民党議員が多数参加する集会で、
神道政治連盟が性的少数者を差別する
冊子を配布したことをお話しました。
その冊子が、4月22日と4月29日の
「東洋経済」で取り上げられています。
「神政連がLGBTQを「精神疾患」と条例反対呼びかけ」
「神社庁が統一地方選候補に送りつけた「公約書」 」
こちらが問題の、神道政治連盟が
配布した冊子の表紙と内容の一部です。
「夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT
-家族と社会に関わる諸問題-」という
タイトルになっています。
2022年7月2日エントリでご紹介した
冊子の表紙と同じであることがわかります。
「神道政治連盟・反同性愛の冊子を配る」
【書きました】自民党議員の大多数が参加する議連の会合で配られた冊子「同性愛は精神障害で依存症」「転向療法や宗教信仰で変えられる」「LGBTの自殺率高いのは差別が原因ではなく本人のせい」など差別的な憎悪言説の数々。政権与党がこんな主張を広げる現状、あまりに酷い→https://t.co/sVoMnKFvyn
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) June 29, 2022
上述のツイートはコピーしたものなのか、
冊子が白黒になっています。
もともとは緑を基調した表紙のようです。
4月22日の東洋経済では、神道政治連盟の
問題の冊子は、楊尚眞・弘前学院大学教授の
講演録だという言及があります。
神政連は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と
並び、LGBTQに強力に反対してきた組織だ。
2022年6月には、LGBTQの理解について
大きな反発を受ける騒動があった。
物議を醸したのは自民党の
神政連国会議員懇談会で配布した
「夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT」と
題した冊子に掲載された
楊尚眞・弘前学院大学教授(当時)の講演録。
講演録には、同性愛について
「後天的な精神の障害、または依存症」
「同性愛行為の快感レベルが高くてなかなか
抜け出すことができないのは、
ギャンブル依存症の人が沢山儲けた時の
快感を忘れられず、抜け出せないのと
同じなのです」などと記されていた。
楊尚眞氏という宗教学者のことも、
7月13日エントリでお話しました。
「神政連の反同性愛冊子は宗教学者の講演」
「反同性愛の宗教学者・典型的なとんでも」
講演録の内容は非科学、反科学で
同性愛者に対する根拠のない
差別と偏見にあふれていることは、
言うまでもないと思います。
神道政治連盟は性的少数者を
差別していないと、公式には述べています。
精神の障害や依存症と考えてもいないと、
「東洋経済」をふくめたメディアには
神道政治連盟は答えています。
東洋経済はあらためて神政連中央本部に
「2022年の取材時には、『LGBTQを
精神の障害や依存症とする意図は
神政連にはない』と回答していたが、
今回の文書を読む限り、神政連も
精神の障害であると認識して
いるのではないか」と質問した。
しかし「回答は致しかねる」という返答だった。
文書を受け取った埼玉県内の神職は、
「かつて神政連はマスコミからの
非難をかわすため『冊子の論考の内容は
神政連の見解ではない』などと弁解していた。
しかし、文面を読むと真っ赤な
うそだったことがわかる」と語る。
問題の緑表紙の冊子は、神道政治連盟・
中央本部の幹部が作者のようです。
神道政治連盟が性的少数者を
差別していない、などというのは、
真っ赤なうそだということがわかります。
性的少数者をあからさまに差別して、
その差別意識の普及につとめながら、
外部に対しては「差別していない」と
言ってのけるのは、こうした場合に
ありがちな態度だと思います。
神道政治連盟も、自分たちが
性的少数者に対して思っていることを
正直に述べると、外部からの
猛烈な批判が必至で対応できなくなると
わかっているのでしょう。
それゆえあまりにも見え透いていますが、
外部やマスコミに対しては、
「性的少数者を差別していない」を
「公式見解」ということにするのでしょう。