2023年12月31日

toujyouka016.jpg 社会の不満を政治参加で解決しない

2年ほど前の記事で恐縮ですが、
若い世代の政治意識に関する、
いささか衝撃的(?)な記事です。

「社会への不満はあるが、政治には参加したくない日本の若者たち」

現在の社会への不満はあるが、
政治参加はしたくないという人が、
若い世代に多いという調査です。
『我が国と諸外国の若者の意識調査』
(2018年、内閣府)によります。

 


アメリカ合衆国の20代の場合、
「社会に不満だ」が33.5%、
「政策決定に参加したくない」が23.6%で、
両方にあてはまるのが9.6%です。

日本の20代は「社会に不満だ」が49.3%、
「政策決定に参加したくない」が53.7%で、
両方にあてはまるのが28.5%です。

図中では緑でしめされた「両方にあてはまる」が、
社会に不満を持ちながら、政治には
参加したくない、という層になります。


記事本文にはほかの調査対象国の
「緑」の部分の割合が出ています。
社会に不満があるのに、政治参加して
解決しようと思わない層は、
日本の28.5%が最高で、アメリカ合衆国の
9.6%が最低ということです。

内閣府調査の対象は7カ国だが、
他国のパーセンテージを示すと韓国が19.7%、
イギリスが14.6%、ドイツが12.2%、
フランスが18.5%、スウェーデンが17.2%で、
日本が最も高くなっている。

いまの社会に不満があるなら、
それをみずからも政治参加して解決しようと
することが、民主主義社会の大原則です。

ところが、社会の不満を自分が
政治に参加することで解決したいと
思わない層が、日本の20代は他国の同世代と
くらべて多いということです。


わたしに言わせれば予想通りの結果です。
この文章の最初で、わたしは
「衝撃的(?)」と「?」をつけています。

社会への不満を政治参加で
解決しないことは、民主主義の原則に
反するので「衝撃的」ではあります。
それでも予想はできたことなので、
意外性が少ないゆえに「?」で
緩和させたということです。


調査は20代にかぎっていますが、
どの世代で調査しても、似たような傾向を
しめすのではないかと予想します。
これは若い人たちだけに
かぎったことではない、ということです。

日本の一般的な人たちの多くは、
社会への不満、とくに自分の生活の課題なんて、
政治で扱うことではないと思って
いるのではないかとさえ思います。

日本の多くの一般的な人たちは、
政治とは「天下国家を語るもの」だと
認識しているのではないかと思います。
具体的にはたとえば、経済がどうなったとか、
中国やロシアはどうしたとかです。
あとはイデオロギーと政局です。


かくして日本の「ふつうの人たち」は、
社会の不満、とくに自分の生活の問題を
政治で解決するという意識に
とぼしいのではないかと思います。

「争点にならない女性政策」



posted by たんぽぽ at 13:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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