被災地の取材をした記者が、
現地の被災者たちのための買い出しのとき、
リクエストされたもののお話しています。
被災者のかたたちからなにを買って
きてくるよう求められたのかというと、
「酒」「たばこ」「漫画雑誌」です。
(ほかにもあるのでしょうが、
明記されているのはこれらです。)
3.11取材で岩手県の津波被災地に2週間ほどいた時、青森県の八戸市まで買い出しに行く役を被災者のみなさんから仰せつかった。その時にリクエストが多かった買い物は「酒」と「タバコ」。家や仕事場を津波で失い、高度のストレスにさらされているのに、送られてくる支援物資に酒とタバコは入ってなかっ… https://t.co/WwPCZrlu4f
— 烏賀陽(うがや)弘道 (@ugaya) January 1, 2024
八戸市まで片道2時間飛ばして、スーパーやコンビニなど開いてる店を走り回って、車のトランクが満杯になる程酒とタバコを買って被災地に戻ったら、みんな涙を流さんばかりに喜んでくださった。また被災者のお話を聞かせてもらう時は、タバコを何箱かお土産に持って行くようにした。
— 烏賀陽(うがや)弘道 (@ugaya) January 1, 2024
「最新の少年ジャンプ買ってきて欲しい」というリクエストもあったのでマンガも買いまくった。
— 烏賀陽(うがや)弘道 (@ugaya) January 1, 2024
地震や津波で被災した人は
@できるだけ日常生活を取り戻したい
Aストレスの解消になる何かが欲しい
と思っている。
「生活必需品はもう支援物資で間に合ってるので」と何度聞いたかわからない。
着替えやペットボトル水、食料、トイレットペーパー、ティッシュ、生理用品など生活必需品は全国から支援物資として届き、役場の倉庫で職員が必死で整理していた。
— 烏賀陽(うがや)弘道 (@ugaya) January 1, 2024
しかし、被災者のストレスを緩和するものがない。それだけないのだ。…
それは当たり前の話で、3.11の被災者だって原発事故の被害者だって、2011年3月11日の前日までは、みんなタバコを吸い酒を飲み、マンガを読んだりスイーツを食べたり、カラオケを歌い、パチンコをしたり、スマホでネットゲームをしてたのだ。その「日常」を失ったことこそが、彼らの最大の心の傷なのだ…
— 烏賀陽(うがや)弘道 (@ugaya) January 1, 2024
ツイートの記者のかたがこれらを
買ってくると「被災地の人たちは
みんななみだを流さんばかりに喜んだ」と、
「美談」のように書いています。
そして「被災したかたたちに必要なものは
ストレスを緩和するものであり、
日常生活を取り戻すことだ」と
被災者支援の「教訓」にしています。
お酒やたばこや漫画雑誌(少年向け)を
リクエストするのは、おそらく男性が
多いのだろうと想像します。
女性でもリクエストするかたはいるかも
しれないですが、男性よりは少ないでしょう。
女性の被災者は生理用品やハンドクリームが
不足して困窮することがあります。
上述のツイートで言及される「生活必需品」です。
そしてこちらは男性がリクエスト
することはほとんどないです。
また女性の場合、大きな災害が起きると
性暴力にあうリスクが高くなります。
それが被災地の女性のストレスを高めます。
災害時
— 肉は飲み物 (@NikuWaNomimono) January 3, 2024
女→強姦される、生理用品が無い
男→酒、タバコ、少年ジャンプ、が欲しい
なんだよコレ? https://t.co/ad1i5eGWo6
生理用品やハンドクリームの要望は非難轟々なのに、これには納得してる人が多い不思議 https://t.co/cUXpzT4HoY
— サブっ子Meijiji (@MeijijiS) January 3, 2024
生活必需品がなかったり、性暴力を受ける
リスクが高くなることとくらべると、
お酒やたばこや漫画雑誌の支援を受けられるのは、
ずっと「優遇」されていると言えます。
やはり災害になると、男性とくらべて
女性は生活や立場を圧迫されやすいし、
権利も侵害されやすいということだと思います。
上のツイートを見ると、生理用品や
ハンドクリームといった女性のための
生活必需品は反発を受けることへの言及があります。
男性の主張は聞かれやすく受け入れられやすいが、
女性の主張は無視や反発をされやすい
ということも、しめしていると思います。
なくても、日常生活を送ることは
できるはずのものですね。
お酒もたばこも、日常からまったくやらないに
越したことはないというものです。
被災したとき、お酒やたばこがなくて
困るということもないですし。
たばこを吸ってよい場所に制限なんて、
なくて当然でしたね。
いまでは珍しくない「路上禁煙禁止エリア」
なんてないし、建物や公共交通機関の中でも
禁煙のスペースが例外的なくらいでした。
さすがの「老害」も、たばこを吸ってよい
スペースがだんだんと制限されていった
過程は知っているはずなのですが。
理解されていなかった、ということです。
さらに言えば、おおむかしは
喫煙者のモラルも悪かったです。
たばこの吸い殻をそこらへんに
投げ捨てるのがあたりまえでした。
昭和のあとのほうになると、
吸い殻は所定の場所に捨てることが、
まがりなりにも定着してきましたが。