2024年08月10日

toujyouka016.jpg 「その人ら、家族の絆もろすぎひん?」

結婚と苗字に関する「子どもの意見」として
とても示唆的で興味深いものがあります。

父親と選択的夫婦別姓について、
娘さんが会話をしていました。

「「その人ら、家族の絆もろすぎひん?」選択的夫婦別姓について、11歳の娘が放った「感動の一言」」
「ちょっと笑って答える娘」

 
このとき父親から「選択的夫婦別姓に
反対する人たちがいて、彼らは夫婦で
苗字が違っていたら家族のキズナが弱まると
思っている」というお話を聞きます。

そうしたら娘さん、少し笑って
「その人たちの家族は、キズナが
もろすぎるのではないか?」と答えたのでした。

「だから、結婚した後もふたりとも
元の苗字のままでいいやん、そういうふうに
法律を変えよう言うてる人らがいるねん。
でも反対してる人もいる」

「なんで反対してはんの?」と長女は首をかしげた。
「その人らは、結婚したふたりが
苗字バラバラやったら、家族の絆が
弱まるって思ってるらしいわ」

そう説明すると、長女はちょっと笑ってこう答えた。
「その人ら、家族の絆もろすぎひん?」

「家族の絆が弱まるから」というのは、
NHKによる世論調査(*)において、
選択的夫婦別姓制度に対する反対意見のなかで
もっとも多いものだという。
この調査は18歳以上を対象としたもので、
11歳の長女の意見は対象外だ。

「苗字が違っているくらいで弱まる
家族のキズナなどそもそも弱すぎる」というのは、
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)への
反論としてよく言われることです。

11歳の小学生の女の子でも、
同じことを思ったということです。


この娘さんの父親は離婚して、
現在は父子家庭で家族全員同姓です。
結婚していたときは、母親は改姓して
父親の苗字を名乗っていました。

なのでこの娘さんは夫婦同姓、家族同姓しか
経験していないことになります。
それでも「夫婦同姓、家族同姓でないと
夫婦や家族のキズナが弱まるなんて
おかしい」と思ったということです。



夫婦別姓の家庭の子どもが、
両親の夫婦別姓をなんとも思わないのは、
多数のヒアリング調査からも裏付けられます。

「子どもの気持ちを考えていますが?」
「子どもの気持ちを考えてください」

それはものごころついたときから、
家庭が夫婦別姓なので、子どもはそれを
あたりまえと思う、と理解されます。

ものごころついたときから
親が夫婦同姓で別姓の家庭を経験しない
子どもなら、夫婦別姓を忌避し、
夫婦同姓でなければ嫌だと思うかというと、
そうはかぎらないということです。


「子どもは夫婦同姓、家族同姓がいいと
思うに決まっている」というのは
反対派(非共存派)の定番の主張です。

ところが同姓の家族でずっと暮らしてきても、
夫婦同姓、家族同姓がいいと思わない子どもが
いることが、しめされたことになります。

「子どもは家族同姓がいいに
決まっている」という反対派(非共存派)の
「同姓幻想」「子ども幻想」に対する
明確な反例が出てきた、ということです。

そうなると彼ら反対派(非共存派)の
主張する「家族同姓がいい子ども」
というのは、だれのことなのかと思います。

posted by たんぽぽ at 22:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
非共存派の家族の絆は、名字を押し付けたいだけの大義名分かもしれません
Posted by イト at 2024年08月12日 00:32
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)の
男性は、「妻が望まなくても改姓させて、
自分の苗字で夫婦同姓にしたい」が
本性だろうと思います。

このような男性は、子どもも自分の苗字で
親子同姓でなければならないと考えています。

反対派(非共存派)の男性のいわゆる
「家族のキズナ」は、妻は子どもに
自分の苗字を押し付けることで得られる
自己中心的な満足感のことだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2024年08月12日 22:13
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