2024年08月27日

toujyouka016.jpg カルフーンのねずみ・楽園を滅ぼした非もて

ジョン・B・カルフーンという生物学者が
行なった、「ねずみの楽園」の実験があります。

「都会の隣人を愛しなさい」
「天国のような環境で暮らすネズミたちはやがて絶滅する!?」
「ひきこもりは太古の昔からいた? カルフーンの動物実験が明かす衝撃の可能性」
「ユートピアを生き延びるには」
「Universe 25 Experiments」

科学実験の中では衝撃的なほうなので、
ご存知のかたもいるかもしれないです。

 
これは「ねずみが生きていく上で
物質的に困ることがない状況になったら
どうなるか」を、調べるための実験でした。

「宇宙25」と呼ばれたこの世界の中では、
ねずみたちは食べものと水、
部屋を作る材料はつねに支給され、
不足しないようになっていました。
気温も衛生状態も快適に保たれ、外敵もいないです。

カルフーンはひとつの居住空間の定員は、
ねずみ80匹を想定しました。
80匹以上になった居住空間からは、
新しく産まれた子ねずみを外に出してあげて、
定員オーバーにしない配慮もされました。

ねずみたちが生きていく上で
なにも苦労はないはずの居住空間であり、
「ねずみの楽園」と最初は思われました。


この「楽園」は5年たらずで消滅しました。
「楽園」をほろぼしたのはなんと、
たくさん現れた「非もて雄」たちです。

「楽園」に「非もて雄」が出てきたのは、
「一夫多妻制」に原因があると言えます。
雄どうしの闘争を勝ち抜いた
「勝ち組雄」は自分の「家」を作り、
そこに6-7匹程度の雌を囲い込みました。

それゆえ、「楽園」は求愛対象のいない
「非もて雄」で、あふれることになります。
「非もて雄」は、「ひきこもり」「ナンパ狂」
「レイプ魔」のどれかになりました。


「ナンパ狂」と「レイプ魔」が徘徊するため、
雌にストレスがかかるようになります。
雌は身を守るために攻撃的になり、
雌の死亡率は高くなりました。

雌が受けるストレスのせいで、
妊娠、出産、育児という、雌に負担がかかる
いとなみにも、支障が出てきます。
死産率や乳幼児の死亡率も高まりました。
育児放棄をする雌も増えていきました。


「ひきこもり」は、ほかのねずみには
まったく関心がなく、ほかのねずみも
「ひきこもり」と出会っても無視します。
「ひきこもり」は雌にも関心がないので、
求愛活動をしないから子どもを作らないです。

カルフーンの「楽園」のあとのほうは、
自分がいまを暮らすことしか関心のない
「ひきこもり」ばかりになります。
かくして子どもがまったく産まれなくなり、
「ねずみの楽園」は消滅します。


人間の世界でも「非もて」をこじらせた男性が、
反フェミやミソジニーにおちいったり、
女性に危害を加えることが少なからずあります。

そうした「非もて男」の害悪のお話を聞くと、
わたしはこの「カルフーンのねずみ」を
連想することがあります。



posted by たんぽぽ at 22:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 科学一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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