産経新聞が行なった、小中学生対象の
選択的夫婦別姓の調査は、データのしめしかたにも
問題があるという批判があります。
「<独自>選択的夫婦別姓、小中学生の半数が反対、初の2000人調査「自分はしない」6割」
それは円グラフを3次元的にしめしているので、
グラフの手前にある項目が拡大気味になり
強調されるということです。
産経新聞の選択的夫婦別姓に関するアンケート。
— 荻原 和樹@『データ思考入門』講談社現代新書 (@kaz_ogiwara) January 1, 2025
・円グラフを3Dで表現しているため、割合が最も低い項目が強調されている
・政策の話を小中学生に聞いている
・誘導的な設問文(「ちがう名字になってしまう」など)
これ通常の調査ではやらないことを色々と踏み抜いているのでは…? pic.twitter.com/4xdS5XQ1Be
選択的夫婦別姓の是非を尋ねる設問で、
夫婦別姓も選択できるよう法律を
「変えないほうがいい」が、
まんなかの手前に来ています。
実際には「変えたほうがよい」の
34.9%のほうが大きいです。
ところがプレゼンテーションの「演出」で、
「変えないほうがいい」の30.0%のほうが
なんとなく大きいようにも見えます。
「変えないほうがよい」が
グラフの手前に来たのは、狙ったからなのか、
たまたまそうなったのかはわからないです。
どちらの場合でも、選択的夫婦別姓に
「反対」を大きく見せるのは、
産経新聞の思惑通りだとはと思います。
産経新聞の調査の問題を指摘した
最初のツイートのかた、荻原和樹氏は、
統計やデータの扱いについて
研究しているかたのようです。
『データ思考入門』という
データサイエンスの著書もあります。
選択的夫婦別姓の問題に、直接的な関心が
あるかたではないということです。
反対派(非共存派)の主張や言動は、
家族やジェンダーの問題と関係のない
ほかの分野の観点から見ても、
問題含みなことが往々にして多い、
ということが、あらわれていると思います。
さらには、選択的夫婦別姓と関係のない
ほかの分野のかたが、結婚と苗字の
問題に関心を持ってくださる、
というのも、重要なことだと思います。
(選択的夫婦別姓の問題は、
ほかの分野のかたからは、なかなか関心を
持ってもらえないことが多い。)
と質問した方がわかりやすいと思います。
産経新聞は反対派(非共存派)ですから、
問題の本質が適切に伝わる質問は
考えないのではないかと思います。
反対派(非共存派)に有利になる
誘導的な質問なら、考えようとすると思います。
ご指摘の質問は「結婚相手の女性に
改姓させたい」と思っている男性が、
どう解釈してどう回答するか、だと思います。