子どもが別姓になって、子どもにとって問題だ」
という、よくある反対派(非共存派)の
主張に対する反証の記事です。
「選択的夫婦別姓「子どもへのメリットも多い」 反対意見に識者が反論」
選択的夫婦別姓「子どもへのメリットも多い」 反対意見に識者が反論https://t.co/4VWlr8VwIo
— 毎日新聞 (@mainichi) March 5, 2025
国内外の家族法制とその影響に詳しい、慶応大・阪井裕一郎准教授に聞きました。
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記事の最初のほうしか読めないです。
無料で読めるところだけ引用しておきます。
――まず、「子どもがかわいそう」という主張に対し、
どう受け止めていますか。
◆はっきり言ってしまえば、反対派の論理は破綻している。
事実婚や子連れ再婚、国際結婚などで
親と子の名字が違う家庭は既に多くあり、
そうした親子への侮辱でもある。
また、夫婦が子どもを持つことを前提にした論法であり、
論理的には子どものいない夫婦については
別姓を認めるべきだと主張しなくてはならない。
――「家族の絆や一体感の維持」も理由に挙げられています。
◆現行制度でも、結婚すれば改姓した
(主に)女性側は、自分の親と名字が異なることになる。
反対派の主張が正しいとしたら、
日本中で家族の絆が壊れているということになる。
実際には「結婚した女性が名字を
変えないことが許せない」という家父長的な
考え方が背景にあるだけではないか。
本当に子どものことを心配した結果なのか、
大変疑わしいと思っている。
一方で、だからこそ、もはや論理的な
説得は難しくなっているのも実情だ。
差別されるとしたら問題は社会の側に
ここで指摘されていることは、
事実婚などで親子別姓のかたはすでにいる。
子どものいない夫婦もいる。
改姓した女性は親子別姓になる。
子どもへの差別があるなら社会の問題。
といったことがあります。
これらはすでに議論されていることで、
真新しい内容ではないとは言えます。
それでも反対派(非共存派)の主張は、
くりかえし反証されたいと思います。
わたしが指摘したいのは、このところ
子どもの苗字の問題に対する
反対派(非共存派)の主張への反証が、
多くなっていると思われることです。
このあたりは元旦に発表された、
産経新聞による小中学生対象の
アンケートの影響もあるのだろうと思います。
「産経・小中学生に選択的夫婦別姓の調査」
このアンケートで、夫婦別姓が
子どもにとって問題であるかのように
結論していたので、反証がとくに必要と
関係者から思われたのでしょう。
「親子別姓」は、反対派(非共存派)が
もともとよく持ち出すことです。
自民党内でもさかんに議論されているようです。
なので、とりわけ念を入れて
反証したいことだと言えます。
もうひとつわたしが思っているのは、
子どもの苗字に関しての
反対派(非共存派)の主張に対する批判に、
遠慮がなくなってきたということです。
この記事でも「はっきり言ってしまえば、
反対派の論理は破綻している」と言っています。
3月16日エントリでも、「子どものことは
選択的夫婦別姓に反対する口実」と
言っている記事を紹介しました。
「【選択的夫婦別姓】子の名字、課題か口実か」
「親子別姓だとなんらかの子どもに
好ましくない影響はあるのだろう」
という印象が、なんとなく残るような
扱いをすることが、なくなったと思います。
反対派(非共存派)に対する扱いが
手厳しくなったのは、選択的夫婦別姓問題に
関する社会のリテラシーがまがりなりにも
高まったからかもしれないです。
あるいは、選択的夫婦別姓が
いつまでも実現しないので、
反対派(非共存派)に対して、社会が少し業を
煮やしはじめたのかもしれないです。
「自分の考え」を「子どもの考え」と
いうことにしているのだと思います。
「妻に改姓させて自分の苗字で
夫婦同姓がいい」だと、自己中心的で差別的なのが
あきらかなので、言いたくないのでしょう。
「子どもが親子同姓を望んでいる」と言えば、
自己中心的で差別的という批判は
回避できると、反対派(非共存派)は
思っているのだと思います。