2025年10月03日

toujyouka016.jpg 女性研究者に偏る改姓と旧姓使用の負担

女性研究者の多くが結婚改姓すると
旧姓使用すること、そしてそれにともなって
負担がかかることが、あらためてしめされました。
男女共同参画学協会連絡会が行なった調査です。

「女性研究者に偏る「改姓→旧姓使用」の負担 理系研究者団体がアンケート結果発表」
「選択的夫婦別姓制度に関するアンケート結果報告 (2025年)」

 
理工系の学会などで構成する男女共同参画学協会連絡会が、
加盟学会・協会の会員の研究者や技術者を対象に
行ったアンケートで、法律婚をした女性の72.6%が、
改姓したうえで旧姓を通称として使っていることがわかった。
改姓による研究業績の分断を防ぐために
旧姓使用を選ばざるを得ない実態があり、
それによる不利益が女性に偏っている現状が明らかになった。

ここでの要点は、

1. 結婚改姓するのはほとんど女性である。
2. 結婚改姓したかたはほとんどが旧姓使用する。
3. 旧姓使用するかたのほとんどに、負担やトラブルがある

ということです。





法律婚をして改姓するかたのジェンダー差ですが、
男性研究者は95%程度が改姓していないです。
女性研究者で改姓しないかたは7%程度です。

「男性は結婚改姓しないのがとうぜん」
「法律婚をしたら女性が改姓するのがとうぜん」という
社会通念は、ここでも顕著ということです。

数値も日本社会全体とくらべて、たいして差はないです。
研究者の世界も、世間一般なみに女性が
改姓している(させられている)ことになります。

「ほとんど増えない妻の苗字を選ぶ結婚」


結婚改姓したかたは、ほとんどが旧姓使用します。
全体の8割近くが旧姓使用しています。

これは苗字が変わることにともなう
キャリアの断絶が、研究者はとりわけ深刻だからです。
それゆえなんらかのかたちで、
旧姓を名乗ろうとすることになります。

そして旧姓使用しているかたの約8割が
なんらかの負担やトラブルに見舞われています。
旧姓使用はまったく「ふじゅうぶん」ということです。


結婚するとほとんどは女性が改姓して、
そのほとんどが旧姓使用するが、
そのほとんどがなんらかのトラブルにあう、
というのが現状ということになります。

旧姓使用にともなう負担やトラブルは、
ほとんどが女性に偏るという不公平さが、
あらためてはっきりすることになります。


こうしたことはすでにわかってはいるのですが、
それを調査のかたちでしめして、
眼に見えるようにしたことは大事だと思います。

「女性は結婚改姓して旧姓使用することが
あたりまえで、それでじゅうぶんである」と
思われている現状があるので、
それに反証するということだと思います。

連絡会の代表理事を務める
佐藤宣子・九州大学大学院農学研究院教授は、
6月16日の記者会見で「法律婚をすると女性が改姓し、
旧姓を使うことが当たり前のようになっているが、
それによってトラブルに見舞われている事実が
調査によって『見える化』できた。

女性研究者がトラブルや不安を抱えながら
研究しなければいけないという状況は
早急に解消すべきだ」と述べた。

posted by たんぽぽ at 21:26 | Comment(3) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
その場合、海外の研究者も結婚して改姓すると不都合があることになりますよね。

結婚によって一方が改姓するというのは日本だけでなく多くの国で行われていることなのに、それによって不都合が生じたり、ましてキャリアが断絶する?

研究者というのは次元の高い研究を行っているわけですから、改姓しても同一人物であることは容易に分かるシステムの研究・開発をして頂きたいです、と言いたくなりますが、それとはまた話が別なんでしょうかね。
Posted by ネル at 2025年10月04日 02:09
困ってない人が困っている人の妨害をしてきますね。
Posted by ガンバ at 2025年10月04日 22:39
ガンバさん
こちらにもコメントありがとうございます。

「困っていない人」は、他人に「困ってもらう」ことで、
利益を得ている人たちですからね。
Posted by たんぽぽ at 2025年10月05日 17:28
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