なんと、母乳から遺伝子が注ぎこまれる(!)と言っているのです。
粉ミルクを赤ちゃんに飲ませると、牛の遺伝子が注ぎ込まれる(!!)、
とも言っているのだから、本気でそう思っているようです。
「発達障害はなぜ起きる(下)」
http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/d5889e61d82ce8efbaed89d67dfabfbe
粉ミルクでは母乳に入っている母親の大事な人間としての遺伝子が
子どもに伝わらないで、代わりにウシの遺伝子が赤ん坊に注ぎこまれる。
粉ミルクで育った赤ん坊がやがて、ウシの遺伝子に浸透された
頭脳として育ち、友達をいきなり殴ったり、噛み付いたりするのだ。
成長してから、食事として牛肉や牛乳を採るのも、
牛の遺伝子を取り込むのかというと、そうではないようです。
乳児期に母乳を飲むことだけが、遺伝子を取り込むのだそうです。
「母乳」とはなにやら、神秘的な力を秘めていることになりそうですね。
母乳の時期に、ウシの乳を飲ませることが最悪なのであって、
離乳後一般の食べ物として牛乳を飲むこととは別である。
「多数の個体が同じ学習をすると、遺伝子に取り込まれる」(参照)とか、
「母親が赤ちゃんと触れあうと、『母性』が伝えられる」(参照)とか、
まじめに信じている人もいますが、これはさらにすさまじいですよ。
つぎのエントリを見ると、遺伝病の存在さえご存知ないようです。
「遺伝子」とはなんなのかさえ、わかっていないのかもしれないです。
「「1リットルの涙」と脊髄小脳変性症(上)」
一般の人たちの遺伝や進化の理解は、こんななのでしょうか?
それとも、バックラッシュ的言動をする人だけが、こうなのでしょうか?
(発達障害や女性への、差別的な発言もさることながら、
遺伝や進化に対する無知ぶりに、わたしは、ショックを受けています。)
さきのウェブログは、『心に青雲』というタイトルで、
作者のプロフィールを見ると、「空手道場主催」とあります。
ブログで展開していることは、「わが流派の最高幹部」の理論だそうです。
ブログを見ていると、「あらゆる個別科学を究めた」とか、
「弁証法、認識論を踏まえた」とかいったことが、よく出てきます。
「理系保守」のかたもそうですが、わたしが見ているかぎり、
トンデモない人たちにかぎって、「学術的」「実証的」「科学的」
という意味のことを、やたら言いたがると思います。
自分の言っていることがトンデモないと、なんとなく思っているので、
こうした権威に、安直に頼りたがるのかもしれないです。
興味があるかたは、つぎのエントリも、ご覧になるといいでしょう。
(というか、このエントリで、空手道場氏のブログを知ったんだけど。)
「無知が偏見を生み出す、知識は偏見や差別と闘う武器」という主旨です。
「母乳で伝わる遺伝子」
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071009