10月8日エントリで、リチャード・コシミズの講演会が、
ときどき開かれると、ちょっとだけお話したのですが、
そのひとつを、ためしに観てみましたよ。
(司会の小吹伸一氏は、たんぽぽを「どうでもいい人」と言った人ですね。)
「2007年6月9日リチャード・コシミズ京都講演会」
http://video.google.com/videoplay?docid=-5531771243763964471&hl=en
察するに、コシミズ氏には、「在日」のかたをはじめ、
韓国や朝鮮、あるいは、統一教会や創価学会への強い不満があって、
これらがそもそもの発端のように、わたしは思いました。
かかる自分の不満をいっぺんに解消する「陰謀の主体」として、
「すべてはユダヤのしわざ」としたと考えられそうです。
そうだとしたら、とても奇抜な発想だと思います。
講演の中で、コシミズ氏は、「自分は反ユダヤ主義ではなく、
ユダヤ金融支配を否定しているだけだ」と、述べています。
ところが、「ユダヤがお金の力で世界支配をくわだてている」
というもの言いこそ、古代ローマ以来脈々と続いた、
「反ユダヤ主義」の正統派の主張にほかならないです。
現在、世界でいちばんお金があるのは、アメリカ合衆国です。
それで「金融資本が世界を支配している」なると、
「黒幕」は「アメリカにいるユダヤ人」が、やりやすくなり、
ロックフェラーが、目のカタキにされることになります。
陰謀の主体がアメリカ人ですから、反米主義になるのですが、
アメリカが、日本におよぼす影響は、実際に大きいですから、
「郵政民営化反対」など、その線に沿った主張を繰り広げるなどして、
結構リアリティを持たせることができます。
日本で反米主義的な人たちは、9条護憲や平和問題に、
関心のあるかたが多いので、講演でも出てくるように、
天木直人氏のようなかたに、支持されやすいことになります。
そして、反在日、反韓国・朝鮮が、もともとの根っこですから、
排外主義や国粋主義的な人たちにも、受けることになります。
こうして、平和活動家と、排外・国粋主義者という、
もともとは相容れない人たちのあいだで、
「反米イデオロギー」を軸に、「共闘」が見られることになります。
それにしても、ロックフェラーも、日本を支配するために、
被差別マイノリティーや、先行きどうなるかわからない
新興宗教にてこ入れするのですから、ずいぶんもの好きだと思います。
日本に企業を興すとか、日本の企業を買収するとか、
財団らしくすなおに、お金の力で勝負すればよさそうに思います。
そもそも、ユダヤ人が、もともと縁の薄い日本を、
手中におさめようとする動機が、わたしには、わからないです。
「大イスラエルの建設」とやらが、講演に出てきますが、
これはどうやっても、日本は関係ないでしょう。
世界全体を支配するにしても、中東とかヨーロッパとか、
彼らにとって、もっと重要な地域から、手をつけそうなものです。
コシミズ氏は、ユダヤ人から命を狙われるとか、
脅迫状を受け取るとか、講演でしゃべっています。
「脅迫状」は英語のようなので、彼らは日本語はわからないのでしょう。
それなのに、日本語を使っているコシミズの講演や、
ウェブサイトの内容を、どうやって理解するのでしょうか?
コシミズ氏が、外国語で情報発信することは、ほとんどないようですよ。
2007年11月05日
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Weblog: kojitakenの日記
Tracked: 2007-11-10 08:23
実は、コシミズなる人物は先日初めて知りました。
天木直人は、テサロニケまでもが持ち上げてますね。真面目な人だとは思うけど、限界が見えます。
とにかく、左右共闘派の妙ちくりんな主張に疲れ始めた今日この頃です。
最近は、「共闘」と聞くだけで身構えてしまいます(笑)。
ところで、芸術や学問に興味がある人間にとっては、反ユダヤ主義なんて唾棄すべきものでしかないんですが、政治経済のブログでは反ユダヤの陰謀論なんてごく普通にまかり通ってるんですね。
私はかねがね、政治や経済なんて芸術や学問と比較したら精神活動としては二段も三段も下の営為だと思っていて、政治ブログを運営している自らを恥じているのですが(笑)、現状はあまりにひど過ぎますね。
(ああ、アドレスのことは、ちっともかまわないですよ。)
天木直人氏は、思い込みの強い感じが、わたしもしてますよ。
コシミズとは、リンクしている講演のときに、はじめて会ったそうだけど、
ビデオを観ての通り、天木氏はコシミズをかなり信頼していますよ。
(そのあとどうなったのかは、わからないけれど...)
リチャード・コシミズなんて、わたしに言わせれば、
子どもだましみたいなものなんですけどねえ...
反米ポピュリストたちには、耳障りがいいのか、
それとも、ユダヤ人についての知識が、世間一般のあいだには、
あまり知られてないということなのか、それはわからないけれど...
こうもうしてはなんだけど、「護憲派」は終わってると思いましたよ。
コシミズを信奉するのは、天木直人氏だけでないですし、
すくなくない政治家や活動家が、陰謀論になびくというのは、
ポテンシャル(潜在力)がその程度、ということですからね...
最近10年の護憲勢力の凋落は、なるべくしてなった、
すくなくとも原因のひとつを見たなと、わたしは思いましたよ。
WASP(白人・アングロサクソン系・清教徒)に近い一族であって、
ユダヤ系ではないですね。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe600.html
あと、コシミズのサイトですが、英語のページも、
サイトの右側のところを見ると、結構な分量ありますね。
(「外国語で情報発信がほとんどない」のくだりは、
失礼しましたと、おわびしておきましょう。)
http://dokuritsutou.main.jp/
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-494.html
ま、右派の方も安倍晋三が母親が狂信している新興宗教のお告げで政策を決めていたという話があるし、そもそも日本会議なんてカルト集団そのものだから、終わっているのは左派も右派も同じようなものかもしれません。
あと、経済学なんてのは学問自体がめちゃくちゃで、ノーベル経済学賞をとった学者が主宰したヘッジファンドが破綻し、新自由主義政策をとるはずのアメリカ政府がこれを救済したなんてトンデモなできごとがありました。
そうそう、ロックフェラーは、わたしも気になって、
本当にユダヤ系だったかどうか、調べてみたのよ。
(ちがうじゃないかってね...)
ミギについては、カルトまがいなものが、最近になって、
隆盛してきたのはなぜか、というのを、考えるところかもしれないです。
経済学は、わたしはくわしくないんだけど、それをもって、
学問としてめちゃめちゃということは、ないんじゃないかな...?
DDTだって、発明した人は、ノーベル賞をもらったけれど、
環境汚染が深刻になるとわかって、使用禁止になっちゃったからね...
言い出したら化学や生物学だって、じゅうぶんめちゃめちゃでしょう...
でも、ノーベル経済学賞は、アメリカの新古典派系の学者が受賞することが多くて、平和賞ほどではないけれどかなり怪しい、とはよく言われることです。
それから、日記でも話題にしてくださって、ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20071110/1194650584
それに関して、こんなのもあるんだけど...
書かれたのは1999年だけど、ここに出てくる「サヨク教条主義」は、
いまでも、あてはまるんじゃないかな...?
「「目糞、鼻糞を笑う」本多勝一バッシング」
http://web.archive.org/web/20001011232748/http://www2u.biglobe.ne.jp/~ikawag/honda.htm
自分のとこにも書いたんですが、本多勝一自身も確かに問題含みの人物だけど、それを批判する「本多勝一研究会」って、一回あそこの主宰者の木村愛二って人の文章をいくつか眺めて呆れ返ったことがあります。ああいうのがAMLっていうMLで蔓延してるんですかねえ。
(天木直人は、もっとまともな人かと思っていたので、
わたしも、これは意外だったけど。)
あちこちで紹介なさるのは、まったく結構なので、
よろしければ、どんどんなさってくださいね。
「本多勝一研究会」だけど、木村愛二氏がお仲間のことについては、
こちらにちょっと言いわけがありますね。
ようするに、「私たちはホロコースト否定に反対です。
でも、イデオロギー的仲良しクラブにならないために、
幅広い層の人たちと、連帯しています」ということみたい。
(なんか、どっかで聞いたことある感じだけど。)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/sokuhou/sokuhou.html
「AML」は、たぶん反米的な人たちの、メーリングリストだと思います。
反戦平和の人とかが多くて、政治的旗振りはヒダリだと思いますよ。
「自エンド」のTBにも、ときどき「アメリカ陰謀論」とおぼしき
エントリが送られるけど、あんなのがいっぱい、
という雰囲気じゃないかな...?(と、たんぽぽは、想像する。)
AMLに関するたんぽぽさんのご想像、AMLにここ数年参加している私の感覚から見ると、外れてる……かなあ。
たしかに「アメリカ陰謀論」の投稿は散発的にありまして、おそらくは限られた人物から繰り返されていますが、きっちり論破されています。『ボーイングの行方』のmsqさんらの尽力によって。
「過去にあった陰謀論者・歴史修正主義社者との論争」のことを「911陰謀論者との論争」との類似性の観点から見つめる、みたいな分析の中で木村愛二氏の名前が出てくることはありますけど、911以降に参加した(と思う)私が氏の投稿を見た記憶はありません。まあ、あやふやな記憶なので、AML保存書庫を紹介しておきます。
http://list.jca.apc.org/public/aml/
最近のAMLの印象は、ちょっと寂れてるんじゃないの、ってところでしょうか。ブログやHPでの情報交換の方に重点が移ってきてるのかも知れません。
コメントどうもありがとうございます。
AMLの近状について、どうもありがとうです。
まがりなりにも、自助努力で改善されているのかな...?
(でも、あやしい陰謀論を言う人たちも、
発言の場所を、AMLからウェブログとかに変えた、という感じで、
言論空間全体としては、健全になったのでもなさそうだけど...)
ちなみに、わたしが見たことあるのは、これです。
ご覧の通り、AMLのログを転載しているんだけど、
このころは、「9.11テロ自作自演説」を信じている人のほうが、
多かったみたいで、このかたがひとりで反論している感じでした、はい。
http://blog.goo.ne.jp/tohoho_goo/e/9f3bb4de1c61852857c7aa7f48c7a3ab
あと、木村愛二は、「AML」じゃなくて「本多勝一研究会」ですね。
(さすがにAMLには、木村愛二やこの人に同調する人は、
いないだろうと、わたしも思います。)
http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-4-hon.html
とほほさんですね、今もずっと、がんばってくれています。
陰謀論を主張する人、さりげなくにおわせる人たちもなかなかしぶとく、論破されても忘れた頃にまた現れるので、なかなか安らぐ時間がないみたいです。
強固なビリーバーさんたちが集まる場所が、ウェブ空間のどこかにあるんじゃないのかなあ。そんな風に感じています。
いまでも、まだがんばっていらっしゃるのですね。
陰謀論も含めて、一般に「とんでも」のビリーバーたちは、
自分の考えを改めることって、まずないんですよね...
インターネットで議論したくらいでは、もちろんぜんぜんだめで、
できるのは、せいぜい自信を削ぐ程度だと思います。
集まっているかどうかは、わからないけれど、
さしずめ、ウェブログのような、ほかの場所へ移るか、
あるいは、鳴りを潜めているんでしょうね...
ウェブじゃなくて、リアルだけど集まるところもあるけど。
(ポスターがすごいんだけど...)
http://dokuritsutou.main.jp/newversion/2.17kouenkai.htm
開設日は、1999年1月22日だそうです。
「本多勝一研究会」は、2000年のうちに、
更新が止まっているので、アクセス数はそんなものでしょう。
(ようは本多勝一氏が、自分の過去の文章を、
書き換えたのを探し出すのが目的なので、
全部見つけちゃった、ということなんでしょうけど。)
でも、なぜこの件だけは追求しないのか。他の事に関しては執拗にくいさがるのに。彼は発信元は特定しているらしいので、とりあえず照会のメールだけでも送って返答を待てばいいのでは。返答がなくてもね。返答があったら困るかもしれない。「いたずらでした」。
コシミズが受け取ったという「脅迫状」は、コシミズが自分の本で、
写真を載せているのを、わたしも、ちらと見たことありますよ。
(本屋さんで偶然見つけて、ちょっとだけ立ち読みした。)
それで、コシミズ氏は、脅迫状が来たよと言っているだけで、
とくに効果的な対処はしていないのですね。(苦笑)
(なんにもしなくても、どうってことない脅迫状みたいですね。(笑))