にせ科学批判をなさっているブログのかたたちの、
一連の「水からの伝言」騒動に対する見かたですが、
どう受け止めたらいいのかと、もてあましている雰囲気です。
みなさん、語りたいことはあるのに、うまくまとまらない感じです。
たとえば、「レッテルを貼り」が、「水からの伝言」と
親和性があるとか、合目的論的なところが陰謀論になびきやすい、
といった考察を(2008/04/20 22:19)こころみたりもしています。
しかしこれらは、ごく一面的なことで、本質的ではないですし、
書いている本人も、本質とは思っていないのでしょう。
結局、「なにかが違う」「文化の違いだ」というだけで、
それ以上考察が深まっていかない感じです。
「『水伝』の話も『ニセ科学』の話も驚くほど出てこない」のは、
批判された側も、「水からの伝言」を、信じてはいないからでしょう。
彼らは、「批判された事実」を否定したいのであり、
それで「批判のしかたが悪い」と、開き直ろうとするのだと思います。
「水からの伝言」を肯定したいのではなく、一般のにせ科学信者との、
行動パターンの違いも、ここからくることになります。
そんな中にあって、ひたすら長いコメントをしている
黒猫亭さまだけは、ずっとブログを見てきただけあって、
より具体的な内容に立ち入った批評を、展開していらっしゃります。
たとえば、安倍政権が、参院選で大敗したことに対する、
ウェブログの発言の影響なんて、じつはたいしたことないでしょう。
それを「ブロガーたちの大同団結の成果だ!」と、大喜びするのは、
とても自意識過剰だと、わたしも思います。
なにを指すのかはっきりわからない、「内」や「敵」の意識が、
水葉さま(やその周辺)にあることや、「内輪」で議論になると、
「内ゲバ」と言って、すぐに批判を封じようとすること、
また、そうした単純な二分法的な政治しか、
考えられないことの問題も、わたしも感じているところです。
「連帯」や「共闘」の核、というか実態が、
トラックバックピープル(TBP)に、TBを送り合う「仲間」にすぎず、
それが思想信条の、ぜんぜんちがった人たちが寄り集まった
烏合の衆(失礼な言いかただけど)だというのも、
すでに指摘されているところです。
さらに、「政治批判ブログ」に、ポピュリズムに流れる勢力と、
これに反対する勢力があることや、「水からの伝言」の騒動が、
この対立に火をつけたことも、ご存知なようです。
(ただし、わたしは、かかる対立とは、無関係なところで
議論をはじめて、あとから引火したものですが。)
また対立の発端が、TBP運営でトラブルを起こした人が、
対抗するかたちで、新しくTBPを立ち上げたことなど、
かなり立ち入った事情も、把握していらっしゃるようです。
(でも、単純に私怨によると、考えているらしいが。)
ところで、TBPに参加していないのは、批判側では、
わたし、たんぽぽだけとしていますが、ほかに玄倉川さま、かつさま、
jabberwockさま、gegengaさまも、参加していないと思います。
(批判側のおもだったメンバーは、みんなTBPの中にはいないのでは?)
それから、らんきー側の水葉さまも、TBPは参加していなかったと思います。
(「護憲アマゾネス軍団」という、べつのリンク集には参加していましたが。)
それから、dlitさまの(2008/04/20 22:19)の
コメントにある、「黒猫亭さんのところを読みに行って、
該当コメント欄を確認しました」は、どこのことなのかな?
2008年05月06日
この記事へのトラックバック
「権力批判」だけしてりゃ世の中は変るのか
Excerpt: いわゆる左派・リベラル系などの政治批判をする人たちの間でしばしば言われるのが、「権力批判はいいが、一般市民に対する批判はよくない」とか、「権力を批判する者どうしでの内輪もめはよくない」といった言葉で..
Weblog: 遠方からの手紙
Tracked: 2008-05-08 04:31
kojitakenさんの「きまぐれな日々」だけですね。
それに対して、ランキーを支持した側は、
ほとんどが護憲」を主張する政治志向の高いブログです。
ですから、もともとこの「騒動」は
政治ブログ業界の内輪もめでも、「左派リベラル」の内紛でもありません。
そこのところで、黒猫亭さんは問題を左派リベラル内部の内輪もめだと思って
仲裁に入ろうとした人や、「週刊金曜日」の記者と同じ勘違いをしているように見えます。
それから、dlitさんの「黒猫亭さんのところを読みに行って、該当コメント欄を確認しました」というのは、
たぶん下にあるニケさんの書き込みのことでしょう。
http://kuronekotei.way-nifty.com/nichijou/2008/03/post_63a5.html
最初は遊びみたいなものだったと思いますよ。というか、最後まで「遊びみたいなもの」のまま、完全崩壊しちゃっていますが。
私もgegengaも一度も参加表明していないのですが、既成事実化されたという感じがあります。私は複数回、リストから外してほしいと言っています。うちなどは、政治ブログで「すら」ないですからね。
以前、そういう「お仲間」と勘違いされて勝手にどんどんTBを送りつけられて、とうとう向うに怒鳴り込んだことがあります。ところが後でわかったのですが、この人は先輩筋に当たる人なのでした。
http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_1c52.html
当方のコメント欄で、当時よく遊びに来てくださった方たちの言葉の綾から発生した、交流していたブロガーによるお遊び企画の筈だったのですけど。
…政治ブロガーの連帯というようなものだとは、私も思ってませんでした(っつか、そんなものじゃなかったはず)。
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-158.html#comment912
批判側で、TBPに参加している人は、だれがいたっけ?と考えたら、
ことのほかいないので、わたしもちょっと意外に思いましたよ。
(kojitakenさまと、あとvanacoralさまくらいじゃないかな...?)
黒猫亭さまの「批判側も人格攻撃をしている」の印象も、
よく見ると、kojitakenさまが、『雑談日記』へ
「宣戦布告」したことだけで、決めちゃってますしね。
「政治批判ブログ」の内ゲバの様相があったのは、
お正月の議論のうち、中盤の一部だけなんだけど、
騒ぎが広がったのはこの時期で、このときから知った人も多いので、
なんとなく「内ゲバ」だと思った人も、多いのかもしれないです。
(そういえば、「けんかをやめて」「どっちもどっち」のかたが
現われたのも、このあたりからでしたしね...)
>たぶん下にあるニケさんの書き込みのことでしょう。
>http://kuronekotei.way-nifty.com/nichijou/2008/03/post_63a5.html
おお、探してくださって、まことにありがとうございます。
(黒猫亭氏とニケ氏、意気投合してるみたいじゃん。(笑))
それで、dlitさまたちは、「カルチャーショック」とか言っているのね...
(よりによって、いちばん強烈なのを見ちゃったのね...)
>いわゆる「護憲派」業界とはそこそこ交流はあっても、
>そのお仲間ではない人たちだった
今回のことにかぎらず、たいていはそうみたいですね。
批判できるのは、「外」と「内」の境目にいる人たち。
(「外」の人は、事情を知らないから、批判できないし、
「内」の人は、自浄作用が働かないから、批判しない...)
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/entrance/motive.html
>そういう「お仲間」と勘違いされて勝手にどんどんTBを送りつけられて
「護憲派業界」の人たちは、多少とも政治に関心がありそうだと見ると、
内容におかまいなしに、TBを送ってきますね。
(街頭のびら配りみたいな感覚なんだと思いますが。)
わたしのところにも、むかしはよく来ていました。
「水からの伝言」の批判をやりだしたら、
「こいつは仲間じゃない」と思われて、切られたのか、
ぜんぜん来なくなったけど...(笑)
>ところが後でわかったのですが、この人は先輩筋に当たる人なのでした。
あらあら、世の中案外せまいものですね。
コメント、ありがとうございます。
「護憲アマゾネス」の内情(?)についての解説、ありがとうです。
>うちなどは、政治ブログで「すら」ないですからね。
わたしも、それ、思いましたよ。
政治のお話なんて、ちっとも出て来ないじゃん、って。
(それでもあるところからは、政治を語っていて、
いっしょにTBを送っている人のように、見えるんでしょうか...?)
碧猫さま、こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
「護憲アマゾネス」の内情(?)についての解説、ありがとうです。
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-158.html#comment912
>政治ブロガーの連帯というようなものだとは、私も思ってませんでした
察するに、黒猫亭さまは、「護憲アマゾネス」を見て、
「政治ブログが連帯している」と思ったのでは、なさそうだけど。
(というか、「護憲アマゾネス」は存在自体、知らないかも...)
いくつか僕の認識と違うところがあるので説明しておきます。というか確かに僕自身のコメントを見ると煮え切らない物言いが多いと思ったので、言い訳しておきます。
まず、黒猫亭さんとのやりとりで「確認しました」と言ったのは、上でかつさんがリンクしてくれたエントリで間違いないです。かつさん、ありがとうございます。ですが、「確認した」というのは黒猫亭さんが一連の問題にコミットしているうちの一人と黒猫亭さんのところで直接やりとりがあった、ということだけです。
また、カルチャーショックというのは黒猫亭さんが僕に問いかけた言葉ですが、その後のコメントで僕はそれは否定したつもりでした。確かに「文化の違い」という言葉は使っていますが、別にショックを受けたわけではありません。
ニケさんの随所でのコメントやエントリは元々読んでいたので、黒猫亭さんのところから辿っていったというわけでもありませんし。確かにあの方の言い出すことには毎回驚かされますが(最近慣れてきましたけど)、特に代表例だと捉えているわけでもありません。
あと、僕はこの問題にコミットしている方々を全て何らかの「仲間」だと捉えているわけでもないですし、仲間割れというような認識も特に持ってません。そういう意味では「文化」よりは「作法」とか「戦略」いう言葉を使った方がよかったですかね。まあ文化も仲間と認識しあっている集団内で共有されるものばかりでもないのですが。
最後にたんぽぽさんの感想についてですが、「どう受け止めたらいいのかもてあましている」わけではないですよ。「どう言及していいかもてあまして」はいますけれど。もともと僕自身が慢性的に歯切れの悪い発言者なのでそう見えても仕方ないかなとは思いますし、そもそも僕の力不足というところも大きいと思いますけれど。
コメントくださって、まことにありがとうございます。
そちらへコメントさしあげたときは、サイドバーにはあるのに、
反映されないので「?」と思っていたんだけど、
コメントがあふれて、表示されなかったのですね。
(そういえば、はてなのコメント欄は、字数制限があるのでした。)
コメントのために、新規エントリを作ってくださって、
ありがとうございます。
(議論が続くかどうかは、わからないけれど...)
http://d.hatena.ne.jp/dlit/20080510/1210376310#c
>その後のコメントで僕はそれは否定したつもりでした。
もしかして、これかしら...?
|2ちゃんなんかにも結構顔を出しているので、
|罵倒そのものにはそこそこ免疫があると思うのですが、
[2008/04/29 08:53]
「カルチャーショック」の「ショック」は、わたしの事実誤認に
なるようなので、これは失礼しましたと、おわびしておきますね。
(でも、わかりにくいのも、たしかだと思うけれど...)
>僕はこの問題にコミットしている方々を
>全て何らかの「仲間」だと捉えているわけでもないですし、
>仲間割れというような認識も特に持ってません。
ああ、そうでしたのね、わかりました。
黒猫亭さんは、「仲間割れ」と言ってるけど、
ほかのかたが、どう思っているのかは、なんとも言えないですね。
(わたしのエントリでも、黒猫亭さん以外のかたは、
「仲間割れと見ている」とは、書かなかったけれど...)
全体的には、黒猫亭さんがわーっとしゃべって、
ほかのかたが、聞いているって感じだけど、
お話について行ききれないというか、そんな感じなきにしもあらずです。
その部分に限らず、僕はあのコメント欄では特に自分の態度について表明を保留している点が多くあるので、どう受け取っていいものか戸惑った方も多いと思います。その割には印象論は述べているので気持ち悪かったかな、と。
なんでそんなに煮え切らないならあんなエントリをわざわざ書いたのか、と思われるかもしれませんが、まあ単純にあれを機に玄倉川さんのエントリを紹介しておきたかったのですよね。
コメント欄の件に関しては、基本的にメールでコメントを確認しているので、対応が遅れました。すいません。僕の経験からすると大体新しいエントリを立てたところで落ち着いてしまうのですが。
>自分でも読み返してみてわかりにくいと思いました。
黒猫亭さまほど、「政治批判ブログ」の事情を知らないので、
どこかお話を合わせ切れないのかな?、という雰囲気がしたかな...
>まあ単純にあれを機に玄倉川さんのエントリを紹介しておきたかったのですよね。
ああ、そのお気持ちは、わかりますよ。
わたしも、「お見事!」と思いましたし、ね...
>基本的にメールでコメントを確認しているので、対応が遅れました。
いえいえ、こちらこそどうもありがとうです。
>僕の経験からすると大体新しいエントリを立てたところで
>落ち着いてしまうのですが。
わたしも、きっとそうなるだろうと、思ったんだけど、
レスがつきましたね。