2008年06月08日

toujyouka016.jpg 騒動が再燃した(21)

またまた「水からの伝言」ですが、こんなブログもあるのですよ。
ブログのタイトルは、『百丁森の一軒家』
作者はnorth-poleさまというかたです。
すでに、わたしのブログにも、何度かコメントをいただいています。
「「水」の話でさらに考えた」
「非科学的ではイカンのか」
「「ネタなんだからいい」のか(2)」
「論理的であろうとすることをめぐるメモ」
「いくつかのメモ」

騒動の発端、わたしが最初のエントリで触れた問題提起である、
科学と道徳の関係、「ねただから」ですましてよいのか、
なぜに「科学史上主義」とレッテルを貼られるのか、
といったことについて、考察しております。
まさに、本来なされるべき議論が、なされていると言えるでしょう。

1月からの騒動の経緯も、よく把握していると思います。
偏った情報で、自分に都合がいい認識を作ろうとする人ばっかりの中、
きわめて良心的なブログだと思います。
くわしいことは、エントリを直接ご覧いただいて、
わたしは、若干のコメントをしておこうと思います。

 
5月25日の「発端の議論」で、わたしの最初のエントリ
述べたことを、つぎの4つに整理しています。
(1)「水からの伝言」の内容自体があやまりである
(2)「科学」に「道徳」を求めるべきではない
(3)「科学的だ」と主張することで特定のイデオロギーを正当化し強制しやすくなる
(4) らんきーブログは、「非科学的で何がイカンのか」わかっていないのではないのか

そして、「議論のすれ違い」で、ぶいっちゃんは(1)だけは認めて、
追記も書き直したけれど、(2)(3)は考察も言及もまったくなく、
(4)も理解したかどうかあやしいとしています。
(同じ指摘は、norton3rdさまが、「騒動が再燃した(7)」で、
コメントされたのですが、このときも無視されました。)

わたしが察するに、らんきーブログと、そのお仲間たちは、
自分たちが批判された事実をもみけしたくて、
自己正当化を計ることしか、関心がないのでしょう。
それで、(2)や(3)の内容には、まったく興味がなく
(本当にわかっているかもあやしく)検討しようと思わないのでしょう。


(4)については、「ねたなんだからいい」と開き直っているのですが、
これは、5月27日エントリで、考察されています。
ここで、わたしが興味を惹いたのは、開き直る人は、
本当にいんちきと見破っているのか?という疑問です。
「らんきーブログ」に関しては、あやしいのではないかと、
わたしは思いまして、そもそも開き直るということは、
内心どこかで事実と思いたいからでは?という感じがします。

5月28日エントリでは、「疑似科学」が、画期的、革新的な
価値観の転換を起こすか、という問題が出されています。
わたしが考え付くかぎりでは、そんなことはぜんぜんなく、
知性に袋小路に迷いこむだけのように思います。
(錬金術、占星術が、まともな思想や哲学に役立っていたときは、
どちらも正当科学への貢献もじゅうぶんあった。)


定番のレッテル、「上から目線」「科学史上主義」については、
5月27日エントリと、5月29日エントリで考察されています。
こうした感情がわいてくる理由として、エントリでは、
(a)「自然科学を育んだ欧米文化の優越感につながった歴史がある」、
(b)「戦争と環境破壊を作った」、(c)「科学がひとつの体制、
あるいは権威となっている一面もある」が挙げられています。

この中で(b)の核戦争と環境破壊は、第二次世界大戦の直後は、
それこそ全人類がほろびかねないという、かなり現実的な脅威でした。
それゆえ、20世紀後半の、世界の平和運動の中心をしめてきました。

(とくに日本の場合、戦前からある伝統的な理系軽視や、
科学コンプレックスと、これらとがむすびついた
「反科学」的主張が、文系の識者からよく唱えられました。
こんなのは、科学のきわめて目立つ「負の側面」だけ強調した、
じつに偏った主張にすぎないですよ。
そして、太平洋戦争の壊滅を、民主主義と科学力の不足と考えた、
理系の識者から反論を受けることにもなりました。)

ところで、現在の日本の、平和や共存を求める人たちは、
ウェブで発言しているかたたちもふくめて、
(b)由来の、反戦運動やエコロジーを継承しています。
また、(a)の反欧米主義的傾向や、(c)の反権威主義的傾向も、
持ち合わせた人もいますし、彼らが自然科学と相性が悪いのも、
ある程度は無理もないことなのでしょうか?

posted by たんぽぽ at 23:51 | Comment(10) | TrackBack(2) | 政治活動・市民運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
そんな難しい事じゃなくてただ言われたのが悔しかっただけだと思いますが。
Posted by barracuda at 2008年06月09日 01:41
私はkojitakenさんのところで
疑似科学の問題の話をしたことがあって
なので騒動にkojitakengが
巻き込まれたりするのをみて
なんとなくかってに責任を感じてたり
しますが

疑似科学に問題については
まず科学って言葉を聞いて
イメージするものが人によって違うんですね。
なのでもし擬似科学の話をするなら
その言葉のすり合わせをしないと
話はすれ違うだけです。

私は意地になるだけなら
スルーしたほうがいいと思うんですが。
Posted by JMaEND at 2008年06月09日 20:29
訂正:(相手、または自分)が
意地になってるだけなら

疑似科学の問題は
疑似科学の問題として
サイト間の騒動とは離れて
考えた方がいい気がします。
Posted by JMaEND at 2008年06月09日 20:33
こんばんは。
north-poleさんの簡潔かつ的確な記事群のご紹介、ありがとうございました。
触発されてしまった記事のTBをさせていただきます。
クソ生意気な内容になってしまっていますが、申し訳ありません。 (^o^)
Posted by アキラ at 2008年06月09日 21:47
barracudaさま、こんにちは。

「むずかしいこと」というのは、最後の段落のことかな?
これは、ぶいっちゃんとその取り巻きを離れて、
もっと一般的なことをお話しています。
(もとのエントリがそういう主旨だから。)

あっちこっちのブログを見ても、反米感情旺盛なのは
そこらじゅうにいるし、反権威を標榜しているのもいるし、
そういう理由で科学を嫌っている人も、ちらほらいるので、
「本質的に相性が悪い」というのも、あながち的外れでもないと思いますよ。



JMaENDさま、はじめまして、ですね。
わたしのブログにコメント、ありがとうございます。

kojitakenさまが、どう思っているかわからないけど、
わたしが見たところ、自分から参加してきた感じだから、
それはそれで本望なんじゃないかな...?
(なんて、ちがったらごめんなさいね。>kojitakenさま)

すくなくとも、「政治批判ブログに蔓延する、にせ科学批判」は、
だれかがやらなければ、ならなかったことだと思いますよ。

あと、訂正された箇所は、わたしに言っているのかな...?
(わたしは意地になってるんじゃないんだけどね...)
わたしとしては、サイト間の騒動がメインで、このエントリで、
たまたま疑似科学の問題にもどっただけ、という感じです。



アキラさま、こんにちは。
コメントとTBくださって、ありがとうです。

わたしの紹介したブログ、関心を持っていただけてありがとうです。
のちほど貴エントリも、拝見させていただくことにします。

...なんて、こないだTBをいただいたエントリも、
「のちほど伺う」と言っておいて、ぜんぜん伺ってないので、
もうしわけないけれど。(わたしには、むずかしいのだ...)
Posted by たんぽぽ at 2008年06月10日 23:45
> わたしが見たところ、自分から参加してきた感じだから、
> それはそれで本望なんじゃないかな...?

「巻き込まれた」つもりなんか全然なかったりします(笑)。
Posted by kojitaken at 2008年06月11日 00:41
こんにちは

エントリのご紹介ありがとうございます。
「科学」「疑似科学」のイメージ、という問題は確かにあるとは思います。そのへんももう少し考えたいとは思っていますが、まあ「騒動」とは離れた話になりますね。
Posted by north-pole at 2008年06月11日 12:00
ちょっと表現がまずかったです。
別に何かたんぽぽさんをせめてるわけ
じゃないのでどうもすいません。
まったくそんな意味ではありません。

私はこの話題でニセ科学批判マニアの
方が勘違いして出てこないことを懸念
してたんですが政治系サイト以外で
この騒動についていろいろいわれてるのを
たまたま見てしまったので心配してました。
Posted by JMaEND at 2008年06月11日 22:27
kojitakenさま

やっぱりね。
それは、わたしの思っていた通りでした。



north-poleさま

いえいえ。
こちらこそ、良心的に扱ってくださって、ありがとうございます。
(「科学」「疑似科学」のイメージについても、
考える手がかりになりましたら、わたしとしてもさいわいです。)

>まあ「騒動」とは離れた話になりますね。

まともな「科学」や「疑似科学」のお話が、わき道というのも、
ちょっと皮肉かも...(ひねくれものらしい...?)
Posted by たんぽぽ at 2008年06月12日 23:09
JMaENDさま

>別に何かたんぽぽさんをせめてるわけじゃないのでどうもすいません。

ああ、そういうことでしたのね、了解しました。
(どうもすみませんです。)

>私はこの話題でニセ科学批判マニアの方が勘違いして
>出てこないことを懸念してたんですが

わたしも、それは、ちょっとだけ心配しましたよ。
(まあ、だいじょうぶだろうとは、思ったけれど...)


>政治系サイト以外でこの騒動についていろいろいわれてるのを
>たまたま見てしまったので心配してました。

ご覧になっていたのですね。
(こちらも、心配してくださって、ありがとうございます。)

「にせ科学批判」のかたたちも、状況が飲み込めないのなら、
なにも言わなければいいのにと思います。
結局あの人たちは、役に立たない批評やアドバイスばかりして、
騒動を拡大しただけになりましたからね...
(収拾をつけようとしたのでも、ないのかもしれないけど。)

あちらのかたたちが、じつは、どんななのか
わかったのが、わたしの最大の収穫かな...
(なんて言うと、「また人に関心を持つ〜」なんて声が、
聞こえてきそうだけど。)
Posted by たんぽぽ at 2008年06月12日 23:10

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